筋トレを行っていくうえで、重量や回数の設定をどうするのか。
インターバル時間をどうするべきかという問題があります。
1つの正解がある訳ではありませんが、なんとなく‶10回”などといいかげんに設定してやっても効果が薄まってしまいます。
意味を知り基本を抑えて効率的に行うことで結果を手に入れていきましょう。
重量設定
一般的には10回
筋トレでは重量の設定は8~12回とされるのが一般的です。
特に一番多いのがキリの良い10回でしょう。
エビデンスとして10回が最も効果があったという発表もありますが、所詮10という数字は最も我々が普段から慣れ親しんでいる10進法のキリの良い数字というだけです。
それが丁度人間のカラダに呼応するとは考えにくいです。
そしてヒトの筋肉には速筋・遅筋などの異なるタイプの筋肉が存在し、筋肉毎にも個々人でも比率が異なります。
最終的には個々人で自分に合った重量・回数を模索していく形となります。
やったことのない初めての種目を行うのであればまずは10回とするのがいいでしょう。
しかし、何となく10回に設定しても効果は薄まります。
ギリギリ10回の意味
あくまでもギリギリ10回です。
ジムで10回に設定して涼しい顔をしてやり遂げている方をよく見かけます。
ギリギリ10回であれば10回に到達する直前は顔にだって力も入りますし、大きな筋肉のトレーニング直後であれば息切れもします。
楽々で10回を行ってもなかなか結果を得ることはできません。
楽々で行えるのであればどんどん重量を上げていきましょう。
10回に設定するリスク
ギリギリ10回ですので、丁度ギリギリ10回できる重量の場合は10回を目指して頑張れますが、逆に11回とか12回できる時はどうでしょう。
キリのいい10回を通過する際に終わった気になってしまい、11回目ができる余力があるのに終わってしまうリスクがあります。
時間にして5秒にも満たないこの1回や2回をしっかりやりきることが重要なのです。
慣れのリスク
良い意味でも悪い意味でもヒトのカラダは負荷に慣れます。
毎回ギリギリ10回ぐらいで追い込めているはずなので成長が得られないことがあります。
筋肉が同じような負荷に慣れてしまっているのです。
時に8回もできない高重量をやる時も必要ですし、15~20回の高回数をこなせる負荷も必要です。
しっかりギリギリ10回で追い込んでいるはずなのに成長を感じられないというマンネリ状態に停滞するようでしたら、回数を減らしたり・増やしたりする調節が必要です。
重量と反動
基本的にどのトレーニングにも言えることですが、反動は御法度です。
怪我のリスクや筋肉の成長を阻害する可能性もあるからです。
重量を目指すあまり反動に走ってしまうことは多いです。
チーティングと言いあえて反動をつけて行うトレーニング方法もありますが、トレーニング初心者の方はひとまず無視でよいです。
反動がナゼ御法度とされるのかを知っておく必要があります。
怪我のリスク
反動が御法度の理由としてはまず第1に怪我のリスクです。
本来の筋力を超えて反動をかけることで、関節や筋肉の負担となり怪我に繋がります。
怪我の予防には自身の筋力内・コントロール下でトレーニングを行うことが重要です。
なんとなく反動が怪我につながるということはイメージしやすいと思いますが、なぜ皆それでも反動を使うようになってしまうのかを知っておきましょう。
トレーニング開始時は神経系から発達する
トレーニングの始めたてはどんどんトレーニングで扱える重量や回数が成長していきます。毎回毎回と成長を感じられることもあるでしょう。
しかしこの成長は筋肉が急激についている訳ではなく、力の出し方を筋肉を覚えていっている神経系の発達が主な理由です(筋量の増加には時間がかかります)。
しかし、1カ月もしない内に神経系の成長は緩やかになり急激な成長は感じられなくなります。
つまり重量・回数の成長も緩やかになってきます。
神経系の次に反動が進んでしまう人がいます
そこで基本通りにトレーニングを続けられるのであればそれでよいのですが、ここで反動に移ってしまう人がいます。トレーニングを重ねることで反動自体も上手になっていきます。
神経系が発達して力の入れ方・力の出し方を覚えるのはもちろんよいのですが、反動がうまくなっているだけのパターンも非常によくあるのです。
扱える重量が増えていくと自身の成長を感じとれ、モチベーションにもつながります。
しかし反動が上手になっていくことでの重量UP・回数UPはいずれ限界がきます。
限界が来ると次に行うのはトレーニングからの離脱か、更なる反動であってさらに怪我のリスクを高めていってしまうのです。
反動は筋肉の成長を阻害する
反動ばかり利用して行うことでターゲットとした筋肉に適切に負荷がかからないという問題もあります。
本来負荷がかかる可動部分を反動で通過してしまうパターンでは当然ターゲットの筋肉への負荷がかかりません。
また更なる反動を行うためにしっかりとした最大可動域で行えていないこともよくあります。
筋トレの基本動作はしっかり筋肉を収縮させてしっかり伸ばしきる、関節を大きく動かすことです。
本来の‟筋トレ”意味はその名の通り筋肉を鍛えることです。
重量・回数に囚われて本来の意味を忘れてしまっては効果は得られないでしょう。
反動は生理的な動き
人間は普段から動きの効率をよくするために軽い反動を利用します。
椅子から立ち上がる際にも利用するぐらいです。
ある意味で反動を利用しないということは非生理的な動きをしているのです。
つまり、反動を使わずにトレーニングを行うということは習得しなければならないテクニックと言えます。
毎回反動を使わないように意識して習得いく必要があるでしょう。
インターバル
インターバル時間にもいろいろあります。ひとつの正解のようなものはありません。
これからトレーニングをやっていこう、というまだ筋トレにのめりこんでいる状態でなければトレーニング自体がまだ苦であることが多いです。人間、苦であることはどうしても避けようとしてしまいます。その日、トレーニングにとりかかること自体が危うい時も多いでしょう。
結果、無事にトレーニングを開始しできてたとしてもインターバル時間がダラダラと長くなっていってしまうのです。
成長を感じるために設定しましょう
トレーニング初期であれば、はっきり言ってどのようなインターバル時間に設定してもどんどん成長します。しかし最初の成長は長続きしません。
成長を感じ取るためにも1分半なり2分なりと時間を決めて行うようにしましょう。
1分の休憩、3分の休憩では休憩後の扱える重量や回数に当然影響が出てきます。
時間を設定して同じ条件で小さな成長を感じ続けることが継続・習慣化への近道となります。
時間効率が上がります
インターバル時間を設定しないと時間効率が悪いという面もあります。
毎回2時間も3時間も避けるのであれば別ですが、ほとんどの人は短い有限な自由時間を割いてトレーニング時間にあてます。
トレーニング時間を1時間とすると、その1時間の中で毎回5分のインターバル時間をとってしまえば当然トレーニングを行えるセット数や種目が減ってしまいます。
単純に1セットで行っている稼働時間を45秒、インターバル時間を5分とすると
稼働時間:45秒×10=7.5分
インターバル時間:5分×10=50分
トータル:57.5分
となってしまいます。
1種目3セットとすると、3種目しかできないことになってしまいます。
実際にはウォームアップの時間や、種目間の移動・準備・片付けの時間がありますし、5分の休憩は極端な例ですが、貴重な時間を割いてトレーニングを行っているのです。
インターバル時間も管理して時間効率を上げていきましょう。
最大筋力の向上を目指すのなら長めのインターバルをとりましょう
例外はあります。
ベンチプレスなどでよく見られますが、何㎏上げるなどの重量を目指す場合、最大筋力の向上を目指す場合は主に神経系のトレーニングとなります。
神経系のトレーニングの場合は5分間などインターバルを十分にとって疲労のとれた状態で毎回のぞむようにしましょう。
実際にパワーリフターの方などは10分を超えるインターバルをとることもあります。
まとめ
・これから始めていこうという方であればまずは回数はギリギリ10回とした重量設定でよいでしょう。
「ギリギリ10回」の本来の意味を再考してトレーニングに臨むことでより効果を得られやすいです。
・トレーニングを始めて間もなくすると成長に行き詰まり反動に走りやすいです。
反動のリスクを知ることで持続的な成長が得られるでしょう。
・インターバル時間は設定・計測をして自己管理することが重要です。
重量・回数・インターバル時間をしっかりおさえることはボディメイク開始時の礎のひとつとも言えるでしょう。
礎をおさえて堅実かつ持続的に成長し、ボディメイクを成功させましょう。