ダイエット ボディメイク

整形外科医が30代へ手始めの筋トレとして勧めるロコトレ。

運動はしようと思うけど、何をしたら良いかわからないという方への手始めにロコトレはおススメです!
そして併せてロコモという言葉を知ってください!移動機能の低下をきたした状態をロコモといいます。そしてロコモのための筋トレがロコトレです。

関係ないと思われるかもしれませんが、30代から既にロコモの人がいるのが現実なのです。簡単に自宅でロコモ度を調べられます。
今回当てはまったしまったのならロコトレが必須です。

ロコモとは

①平均寿命と健康寿命には10年ほどの差があるのです。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。日本は長寿大国であり平均寿命は延び続けていて2016年で男性81歳/女性87歳となっていますが、健康寿命は男性72歳/女性75歳と差があります。
*補足
健康寿命の調査は3年に1回、厚生労働省国民生活基礎調査によって全国から無作為抽出された国民を対象に行われたアンケート調査の結果が元です。
「あなたは現在,健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」の質問に対し「ある」と回答をした人がすべて含まれますので、影響はあるものの日常生活は自立されている”膝が痛い”、”腰が痛い”などの方も含まれており、決してみなさんが要支援・要介護という訳ではありません。

②ロコモという概念を知ってください

平均寿命と健康寿命の差はすなわち治療を要する人の増加、医療費や介護費の増加により家計や社会保障費に大きな影響が及びます。また時に介護問題は費用の問題だけでなく介護者・被介護者を問わず家族関係に大きな影を落とすこともあります。

そこで日本整形外科学会が移動能力の低下をきたし、進行すると介護が必要になる状態をロコモティブシンドローム(通称ロコモ)と定義しました。

誰しにも”老い”はあります。しかし中年の頃は「自分はまだ大丈夫」と思っている方が大勢でしょう。そして同時に「自分が介護されるのは嫌」、「ずっと健康でいたい」と思っている方もまた大勢であり矛盾が生じています。
ロコモが進行して要介護となる前に策を講じたいのです。

③要介護の実情

平均寿命‐健康寿命=要支援・要介護という訳ではないということは先に述べましたが、要介護の実情も知っておいた方が実感が少しわくかもしれません。
要介護の原因で”転倒・骨折”と”関節疾患”を合わせるとまさに整形外科疾患で全体の1/4に達してしまいます。

大腿骨近位部骨折に例をとってみますと、手術・リハビリをしても悲しいことに全員が元の状態戻るわけではありません。その後の日常生活レベルの質がそのまま下がってしまう人も少なからずいます。

まさに「後悔先に立たず」ということでやはり予防が重要ということになりますよね。

ロコモ度をチェックしてみましょう

ロコモ度テスト

「自分はまだ大丈夫でしょう」という方も、「わたし大丈夫かな?」という不安のある方も自宅で簡単にできる”ロコモ度テスト”があります。

詳細は日本整形外科学会の‟ロコモONLINE”というホームページに載っていますので割愛させてもらいますが、簡単には以下の3つのテストだけです。

①椅子(いろいろな高さ)から片足で反動を使わずに立ち上がれるか
②できる限り2歩大股で歩いて、その距離を測定
③ロコモ25という25個のチェックシートに答える

ただこれだけですので、是非ともやってみてください!
ロコモに当てはまってしまった場合、ロコモ度1~3の3段階で診断されます。

ロコモの実情:40歳未満でも2割の人がロコモです。

ここまで読んでもやっぱりロコモ度テストが面倒くさいという方へ、知っていただきたい数字があります。2012年~2013年に行われた調査の結果では、ロコモ度1と診断された40歳以上の方は全体の68%で半数以上という驚きの数字でした。
これを聞くと「高齢者が割合を引き上げているんでしょ?」という疑念につながりますが、40代に限っての割合でも35%、40歳未満に限っての調査でも22%という割合でした。。。

上記のロコモ度テストを行いロコモと診断されてしまった人はある意味、「仲間がいっぱいいる!」と少しホッとさせられてしまうかもしれないような割合の数字ですよね。
もちろんロコモと診断されたかった人もこの割合の数字を知って、備えるべきですよね。

どうしたら良いか

①ロコトレで筋トレしましょう

「運動をした方がいいとは思うけど」、「病院で運動をしろ、整形外科で筋トレをしろ、と言われたけど」何をしたら良いかわからないという方、多いと思います。最悪、ロコモ度テストをしていなくてもロコトレは手始めにどうでしょうか?

ロコモに当てはまってしまった方はやはり何かしら手を打つのが絶対的におススメです。
ただこちらも何をしたらいいかわからないという人が多いと思います。そこで日本整形外科学会は”ロコトレ”というトレーニング方法を推奨しています。

詳しくは割愛させてもらいますが、ロコトレはたったの2つしかありません。
ロコトレ①の片脚立ち、ロコトレ②のスクワットだけです。

たったこれだけです!

②ロコトレを筋トレを始めるきっかけにしましょう

ロコトレは印象としてはだいぶ高齢者向けという印象です。実際にやってみて人によっては簡単過ぎるという方もいるでしょうし、最初は疲労感・筋肉痛で効果を感じ取れていたひとも1カ月も過ぎない内に体が慣れてきて、良い意味で効果を実感できなくなる人も多いでしょう。

ダイエットもそうですが、効果を実感できないと人のヤル気は徐々になくなっていってしまいます。そしてやめていまいます。ダイエットであればリバウンドが待っています。継続するには高い意識を持ち続けるか、効果を少しでも実感し続けることが重要です。予防的に高い意識を持ち続けるのは難しい…

であった場合は”ロコトレにプラスするならこんな運動”ということで”ヒールレイズ”、”フロントランジ”が紹介されていますし、”腰や膝が気になる人に”ということで”腰痛体操”と”膝痛体操”も紹介されていますので、是非こちらにステップアップをしていきましょう!

③レベルアップをすることで継続につなげましょう

ロコトレは自宅で手軽にできるトレーニングです。しかし、工夫をすればどんどんレベルアップをしていけます。1セットの回数、セット数、メニューの種類、1週間で何回やるか、などなどです。効果を実感し続けることで、レベルアップ、継続をしていけます。

まとめ

①ロコモの実情

ロコモとは移動機能の低下をきたした状態です。驚くべきはその割合で40歳以上の方は全体の68%で半数以上もいます。本人の自覚症状なく進行していることなく始めっているというには恐ろしいです。

②ロコトレを!

手始めにロコトレをやってみましょう!何を成すにも始めることが最重要です。+αの筋トレなども活用して効果を実感し続けることが重要です。それが継続につながり習慣化につながりますよ。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。