三角筋を鍛えると言えばサイドレイズが例にあがると思いますが、実際にやってみて「これ三角筋に効いているのかな?」と思ったことありませんか?
サイドレイズがうまくできない、やれている気がしないという方は‟インクラインサイドレイズ”という種目がオススメです。
サイドレイズよりストレッチを効かせながら低重量で広い可動域をもって安全に三角筋を意識したトレーニングが行えます。
インクラインサイドレイズの特徴・メリットを知り、やり方を習得し三角筋を効率的に鍛えていきましょう。
インクラインサイドレイズとは
インクラインサイドレイズとは
インクラインサイドレイズを言葉で表せば
サイドレイズを
インクライン(角度を起こした)のトレーニングベンチで
片方ずつ
横向きに行う種目
と言えます。
よくわかりませんね。
特徴を見ていきましょう。
メリット
①ストレッチが効かせられる
筋トレの基本はフル可動域で行うことですが、通常のサイドレイズではカラダの前もしくは横で終わってしまいます。
腕・三角筋は本来はもっとカラダの内側に閉じていくことができますので、三角筋をストレッチさせるには不十分な可動域と言えます。
インクラインサイドレイズではカラダを通り越すぐらいまでに腕を降ろしていきますので三角筋にしっかりストレッチをかけることができます。
②ストレッチポジションでも負荷を与えられる
通常のサイドレイズでは最下点付近ではダンベルの重みは当然重力方向に向きますので、三角筋への負荷は抜けてしまい、ただダンベルを持っているだけの負荷方向になってしまいます。
インクラインサイドレイズでは最後までダンベルは肩関節の内転方向へ負荷をかけてくれますので、最後のストレッチポジションでも負荷をかけ続けてくれます。
③低重量で行える
反動を使わず、僧帽筋もあまり使わずにやることで三角筋に効かせる種目ですので必然的に低重量で行う種目になります。
高重量での関節への無理な負担などを避けることができます。
④安全に行える
通常のサイドレイズでは反動を使用して高重量かつ収縮を狙う種目であることから上腕骨の大結節という部分(腱板付着部)が肩峰(肩甲骨の屋根)と衝突するインピンジメントという状態になりがちです。
短期的にはあまり問題とはなりませんが、長期的にはインピンジメント症候群や腱板断裂という重い怪我に繋がってしまうリスクもあります。
筋トレの継続、ヘルスケアという概念からも怪我なくトレーニングを行うということが非常に重要な要素と言えますので注意が必要です。
⑤バンプ、バーンズが得られる
筋肉の成長には高重量での物理的な刺激も必要ですが、時に低酸素状態で疲労物質が蓄積するような科学的な刺激も必要とされます。
インクラインサイドレイズでは低重量で高回数を狙っていく種目となり、科学的刺激症状であるパンプ感とバーンズ感を得ることに適しています。
⑥反対側の手で意識付けができる
肩関節を外転していく際には三角筋だけでなく僧帽筋も使用されます。
そして僧帽筋の筋力が強いがあまり頑張って外転させようとする際に僧帽筋を使用して肩を外転させてしまうことが多いです。
三角筋を狙って鍛えたい場合はサイドレイズであってもインクラインサイドレイズであっても僧帽筋を使用せずに行うことが重要となります。
インクラインサイドレイズでは反対側の手がフリーで残っていますので、反対側の手でトレーニングサイドの三角筋を触って筋肉を意識したり、肩峰(僧帽筋の付着部であり、僧帽筋を使用すると肩甲骨の肩峰が上がる)を触って肩甲骨が動いていないかを意識して行うことが可能であり、三角筋を意識してトレーニングを行うことができます。
デメリット
①高重量が扱えない
メリットの反対とも言えますがインクラインサイドレイズの特徴としては高重量での物理的刺激はできません。
インクラインサイドレイズで伸び悩むことがあれば時に高重量を扱う三角筋の種目を選択する時が必要かもしれません。
②三角筋前部は効かせにくい
インクラインサイドレイズではカラダの前に腕を降ろすフォームとなり肩関節としては外転と少し伸展という動作になります。
三角筋としては中部~後部に効く種目となりますので、三角筋前部に効かせるのは苦手と言えます。
三角筋前部を狙うのであればインクラインフロントレイズやインクラインサイドレイズで腕をカラダの後ろに降ろすフォームをやってみるのも良いかもしれません。
やり方
①トレーニングベンチを45度ぐらいの角度にセットします。
②ダンベルを持ちカラダを横向きのまま座ります。反対側の手はトレーニング側の肩を触れるようにしておきます。
③肘は軽く曲げたまま腕を前に出しダンベルをカラダの前にゆっくり降ろしていきます。カラダの前、時計で言う6時のあたりまできたら今度はダンベルを上げていきます。
④僧帽筋を使わないように(反対側の手でトレーニング側の肩を触り意識する)ダンベルを上げていきます。肩を90度も開けば十分です。
※上半身はベンチ台にしっかりくっつけたまま行うようにすることで反動使用の予防になります。
※三角筋を意識するのが苦手な方は反対側の手で三角筋を触りながらやることで意識に繋がります。
※僧帽筋が痛くなる方は僧帽筋メインで上げてしまっている可能性があります。反対側の手は肩峰を触れて肩甲骨が動いていないか確認しながらゆっくり行ってみましょう。
オススメされる方
これまでサイドレイズを行ってきた方、サイドレイズをやっているけれども三角筋に効かせられているかよくわからない方、これまで三角形をターゲットとしたトレーニングをやってこなかった方、いずれの方にもオススメされます。
三角形は男性であればたくましい逆三角形のカラダ、女性であればドレスやノースリーブの際の美しい肩の土台となりますので、積極的にトレーニングをしていって損のない部位と言えます。
メニューへの入れ方
トレーニングの分割方法によってきますが、毎回全身をトレーニングしている方であればシンプルにメニューを追加。
上半身・下半身であれば上半身
上半身に加えるとメニューが多すぎる場合は胸と肩・腕のように分割して肩の日に組み込むのも良いでしょう。
まとめ
①インクラインサイドレイズとは
インクラインサイドレイズとはトレーニングベンチを使用して三角形のストレッチ・フル可動域をターゲットとしたトレーニング種目であり通常のサイドレイズの弱点部分を補ってくれる種目と言えます。
②初心者~上級者にもオススメされます
カラダを固定して低重量を扱うことから初心者でも取り組みやすい種目と言えます。また反対側の手でサポートできることも初心者向けと言えますが、上級者になったとしても活躍してくれる種目です。
③反動、僧帽筋に動きに注意してやりましょう。
低重量で丁寧に三角筋を意識してトレーニングを行う種目です。反動を使用せずに反対側の手で僧帽筋を使っていないか確認しながら行っていきましょう。