ホームジム

整形外科医が自宅での筋トレの効果を考えてみる。

これから筋トレでボディメイクを行っていくのであればトレーニングジムに行くのが良いでしょう。
しかし、ジムに行くのは気が引ける。お金もかかるし、そもそもジムに行くだけの時間がないという方もいます。

自宅でとりあえず筋トレを始めてみようかな、なんて方も多いですよね。
自宅だけでの筋トレでボディメイクを行っていくことはメリットもあればデメリットもあります。
特徴を知り、自身に合うものかどうかを見極めてみましょう。

メリット

ジム代がかからない

まずなんと言ってもジム代・費用がかからないのは大きいでしょう。
最近は24時間制のフィットネスジムが増えてお手頃価格になってきていますが、それでも7000円/月ぐらいは費用としてかかります。通常1~2カ月分ほどの入会費用もかかり、年間にすれば場合によっては10万円を超えてくることもあります。
10万円と考えてしまうとジムへの入会は気が引けてしまい自宅で無料のトレーニングを選択したくなります。

移動時間がゼロで天候にとらわれない

ジムでのトレーニングとなるとどうしても移動時間・天候などの問題が発生します。
片道10分としても毎回毎回往復20分となると、日々時間に追われる人には苦になってしまうでしょう。
また雨などの悪天候にも影響を受けます。仮に車での往復であったとしても大雨であったりすると人間行くことに気が引けてしまうものです。
その点、当然自宅では移動時間はゼロで悪天候などの影響も全く受けず安定してトレーニングに取り組めます。

時間を問われない・待ち時間がない

最近は24時間制のジムが増えてきていますが有限時間制のジムであれば仕事終わりなどに行く場合、行く気持ちはあっても時間切れで行けなくなってしまうリスクがあります。
また混雑時はやりたい器具の順番待ちなどの時間が発生してしまうことも多々あります。
もちろん自宅ではいつでも待ち時間というストレスもなくトレーニングに取り組めます。

周囲の目が気にならない

‟これから痩せよう”、‟これから変わろう”と思ったはずなので、いざトレーニングとなる周囲の目を気にされる人がいます。
‟私みたいな太った人が頑張ってたらバカにされるんじゃ”などの被害妄想です。
もちろん自宅では家族以外には見られることはないので、被害妄想だとしても周囲の目を気にすることはありません。
また、歯を食いしばって頑張っているような姿を恥ずかしいと感じる人もいますが、自宅では思う存分に歯を食いしばれますよね。

デメリット

トレーニング種目に限りがある

自宅で筋トレ器具なしでを開始するとなるとやはりトレーニングが限られます。
高齢の方で自重で十分という方もいるかとは思いますが、部位によっては器具があった方が断然効率的に鍛えることができます。
若い方・中年の方であれば最初は自重で満足できていても、いずれは頭打ちとなりがちです。

飽きが生じやすい

数少ない種目でかつ効果を実感できなくなれば必ずと言っていいほど飽きがきます。
そしてトレーニングから離脱、ダイエットであれば失敗に終わってしまいます。

もちろん器具を買っていけば行えるトレーニング種目はどんどん増えてきますが、それでもジムには敵いません。

いろいろやろうと思うと器具を買う必要がある

自重+αで鍛えるとなると何かしらのトレーニング器具が必要となります。
ちょっとした小さなダンベルぐらいは一般のご家庭でも見かけるのは珍しくないでしょう。
しかし、小さなダンベル1セットではまたやれることにすぐ限界が来てしまいますので、結局いろいろやろうと思うと器具をどんどん買っていかなければならなくなります。
後々、計算してみれば結構な費用になっているなんてこともあります。

いろいろ買った器具が部屋を占拠していく。器具に対して家賃を払っているような状態になる

自宅をジム化する‟ホームジム”を勧める話では、初期費用こそ様々な器具の購入に対しかかりますが、年単位で見ていくとジムへ通うよりコスパが良いとされます。
しかし、いろいろ買った器具は次第に部屋を占拠していきます。人によっては部屋の一角、また一部屋をトレーニングルームにしてしまう人もいるぐらいです。
しかし、スペースが有り余るぐらいの広い家に住んでいる人でなければ家が狭くなっていくのは困りますよね。
部屋の一角としたとしても部屋を占拠してしまえばトレーニング器具に家賃を支払っているようなものです。

例をもって考えてみましょう

《例》
独身:8畳1部屋 家賃60000円/月
トレーニング器具占拠面積1畳

トレーニング器具への支払い家賃⇒7500円/月

上記は極端な1例ですが、実際に部屋を占拠・占有するということは場合によってはジム代ぐらいの価値を代償していると考えなければいけません。

使わなくなった器具は捨てるにの困る

また使用できている間は使用者を満足させ、購入コストがかかろうとも部屋を占拠しようとも問題にならないことがでしょう。
しかし、その後にトレーニングに挫折してしまった場合などはこれまた非常に困ります。
トレーニングという性質上、器具は大きく・頑丈で重いものが多いからです。
捨てる労力も大変ですが、場合によって処分するのにまたコストが発生してしまうのです。

いつでもトレーニングがやれる分、いつまでもやらない

メリットでありましたが、自宅でのトレーニングは時間にとらわれずに自由に行うことができます。
しかし、注意点があります。

いつでもやれる

後でやろう

結局、その日はやらない

いつまでもやらない

という状態につながってしまうリスクがあります。

ボディメイク・ダイエットを成功させるにはトレーニングを習慣化して継続することが最重要です。
もともとジムでしっかりやっていてホームジムへ移行するというパターンなどは問題にならないでしょうが、これから始めるという場合はこの‟いつまでもやらない”というリスクを先に考えておくべきでしょう。

周囲から見られない

メリットの裏側にもなりますが、ヒトは誰しも周囲から見られることで自身の姿を意識するというところがあります。
ジロジロは見られなくてもジムに行けば周囲の目にさらされます。自意識過剰に恥ずかしがったとしても、その羞恥心がトレーニングのモチベーションに繋がることがあります。

もし仮に気になる異性のような存在の人が現れようものであれば、確実に大いなるモチベーションに繋がります。

自宅では周囲の目がない分、人目を気にしたモチベーションに繋げるのは難しいでしょう。

周囲からの刺激がない

ジムに行くと必ずといって自身より良いカラダをしている人に出会うでしょう。
‟あの人カッコいい体型だな”とか‟あの人みたいな体型になりたいな”などのモチベーションが貰えます。
そしてそのまま憧れるような体型の人がしているトレーニングを盗むこともできます。

今なら自宅ならyoutubeなどで憧れの体型を探すことはできるでしょうが、現実を通して感じる‟美しさ”は動画媒体を軽く超えてくるのは間違いないです。

自宅での筋トレが合う人

物理的にジムに通うことが不可能な人

ワンオペの育児をしていてまだ子供が小さい人、近所にジムがない・通う方法がない人など物理的にジムに通うことができない人は‟合う”というよりトレーニングを行うのであれば自宅の一択になってしまいます。

もちろん自宅でのトレーニング一択だとしても先に述べたデメリットは先に頭に入れておくのが良いでしょう。

ひとりで地道にコツコツと頑張れる人

自宅でのトレーニングはある意味孤独での戦いとなります。刺激される人も刺激してくれる人もいません。
自身が掲げた目標に向けて地道にコツコツと頑張り続けることができる人には大いに向いているでしょう。

筋力が弱く自重トレーニングだけでもツラい人

ご高齢の方で自重だけで精一杯という方もまずは自宅から始めるという選択がありだと考えます。
もちろんジムへ行けば、トレーニングマシーンで自重以上に軽い負荷でのトレーニングが可能となりますので余裕があればジムが良いでしょう。

とりあえず低予算で始めたい人

自宅トレーニングのデメリットはわかったけど、やっぱりジムを継続できるか自身がない、ジムへの入会費用のことを考えるととりあえず予算をかけずに始めてみたいといった方も自宅で開始をするのがありでしょう。
自宅でしっかりできるようになり物足りなくなってからジム入会へと移行するのでも遅くはありません。

周りとの隔絶が欲しい人

そもそも人が集まる場所が苦手という方もいらっしゃいます。
トレーニングと関係なくジムに行くことが自体がストレスに感じてしまうようであればやはり自宅でのトレーニングを頑張ってみましょう。

自宅での筋トレが合わない人

とにかく最短コースで結果を出したい人

ジムの費用やジムに通う時間などには余裕があり、とにかく最速で結果が得たい人はジムへ最初から通うのが効率的に結果が得られます。
仮に資金的にも部屋の広さなどが問題なくても自宅をホームジム化すること自体に多大な労力と時間を要します。

もし結果を得ることに焦っているような状態であれば、ジム探しが先決です。

筋力が強く自重トレーニングでは軽すぎる人

若年・中年の方などで筋力が強い方は自宅でのトレーニングは余程器具を増やして工夫していかなければトレーニングの負荷が頭打ちになりやすいです。
器具の購入費用、部屋の占拠問題が心配されるようであれば始めからジムに入会するのが効率的となります。

飽き性の人

性格的に飽き性の人も自宅でのトレーニングは合わない可能性が高いです。どうしてもトレーニング種目に限りがあるというデメリットが飽き性の性格に効いてきてしまいます。
ずっと同じトレーニングの継続ではカラダも負荷に慣れて飽きてしまいます。飽き性の人は余計に飽きてしまうことでしょう。

本当はあるのにトレーニングができない理由を‟時間がない”にしている人

ボディメイクをしたいのに・しなければいけないのはわかっているけど、筋トレをする時間がない、ジムに行く時間がないという理由がよく聞かれます。
確かに多忙の方で1回のトレーニングに1時間を割くことはできないという人はいるかもしれません。しかし、ほとんどの人はただぼーっとテレビを見る時間、何となくスマホをいじっている時間はあるでしょう。ついつい‟時間がない”という理由を使用してしまうのであれば自宅でのトレーニングは合わないことでしょう。

時間は有限であり1日24時間ということは変えようがありません。新たに事を成すにあたり、何かしらの自由時間という代償を支払う必要はあるでしょう。
特に自宅であれば10分もあれば何かしらのトレーニングはやれます。
‟時間がない”は理由にすることができません。
もし安易に‟時間がない”を理由にしてしまう癖があるのであればそのマインドこそがボディメイクを成功から遠ざける理由となってしまいます。

自宅でのトレーニングを決心はしているのに時間がなくて。。という人もいるでしょう。
トレーニングをする‟時間がない”という理由を作ってしまえば、やはりトレーニングはできません。
先に自由時間内でのトレーニングに割く時間を決めてしまいましょう。その上で、残りの時間を新たに自由時間として使うのが良いでしょう。

まとめ

・自宅での筋トレ・ボディメイクにはメリットもあればデメリットもあります。
合う人もいれば合わないひともいるでしょう。

・自身の生活・ライフスタイルと照らし合わしてみてより成功・継続への道筋が
イメージしやすい方法を選択するのが重要です。

・実際に始めていくにあたってはデメリットをあらかじめに知ることで
途中つまづくことなく成功への可能性を高めることができるでしょう。

 

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。