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整形外科医が考えてみるトレーニングジム継続率の低さ

‟今度こそやるぞ”とヤル気を出してトレーニングジムに入会をする人は多いと思います。

しかしトレーニングジムに入会した人の驚愕の継続率をご存じですか?

結論から言えば1年でなんと4%未満です。

4%という数字の意味を解きほぐすことでトレーニング継続の
必要性を再認識しておきましょう。

トレーニングジムの1年継続率は4%未満

海外(リオデジャネイロ)の研究報告からのですが、ジム会費の支払いのみで継続の有無を評価したものになります。

年齢、性別であったりのプロファイリングもしています。

1年継続率は約3.7%。

数字のままですがジムへの入会後1年後の継続率は4%もありません。
さらに言えば3か月で半数以上の63%が退会してしまうようです。

実際にはジムに行かなくなってから1カ月ぐらいは支払いだけしている幽霊会員の期間もありえますのでもっと短いかもしれません。

つまり入会後に1年間継続をしていただけで、フィットネス仲間の中ではエリートに属すると言ってもいいでしょう。

実感としては同意

驚愕な数字に感じるかもしれませんが、長年ジムに通っている私からすれば「確かにそんなものかな」という納得の数字でもあります。

もちろん国民性といった背景も違いますが、周囲を見渡しても
「最近、ジムに通っているんだ」という方はいても
「もうジムに通って何年にもなるよ」という人はかなりレアなはずです。

長いこと同じジムに通っていれば同じ時間帯の顔はなんとなく覚えますし、新規入会の人は体型や動作でわかるもので、最初の1カ月ははりきってトレーニングをやるのをよく見かけますが、印象として数カ月でまた見なくなっていくのが実情です。

中でも継続率が低い人はどんな人?

‟若年”、‟高BMI”、‟減量が動機”の方が最も「危険」なグループであるようです。

またジムに入会する前に身体的に活動性が低かった人は、会員を継続する可能性が低く、以前に定期的な運動を行ったことがない人は、さらにその継続率が低くかったようです。

なんとなく納得の結果です。運動をしてこなかった肥満の方がジム通いで減量に成功するというのは周囲を見渡してもなかなかいないというのが現状です。

仮に一時的に集中して通い、結果が得られた人はそれはそれで辞めていってしまします。

継続率が高い人はどんな人?

‟高齢”、‟低BMI、‟筋肥大”、‟美容”、‟健康”が動機の人は、「低リスク」グループ。

低リスクグループの人はより継続をする可能性が高いですが、それでも12ヶ月以上連続して続ける可能性は10%に過ぎないようです。

かなり厳しい数字に感じますが現実として知っておく必要があるでしょう。

継続の理由にはいろいろある

ジム通いの継続には様々の理由があるはずですが、ひとつでも当てはまりそれで継続ができればエリート組です。

他者とのつながり

仕事引退後のご高齢の方であれば他者との繋がりは重要です。そもそも人は他者との繋がりをなくしては早死にするという報告もあるぐらいです。

運動を通しての他者とのつながりを得るというのも良いと考えます。

トレーニングにはまる

‟トレーニングにはまる”という理由であれば間違いなく継続できるでしょう。
継続率が高い‟筋肥大”、‟美容”が目的になればわかりやすいです。

好きなことをやるためにジムに通うのであれば継続しないはずがありません。
もちろんどうやったら‟はまる”のかは考えなければいけません。

健康

中年にさしかかり会社の健康診断で何か異常数値を指摘されたなども、ジム入会のきっかけのひとつでしょう。

ただ体重にしろ、血圧にしろ改善することが数字で確認できるのはモチベーションに直結しますが、正常範囲内にまで改善したあとはモチベーションの維持が課題となります。

筋トレ継続には(私見)

筋トレ継続には効果的なことをやる必要がある

他の項目でも同様のことは言っていますが、何か効果が見て取れる。
つまり効果的なことをしなければいけません。

運動ゼロであった方であれば最初は始めることが重要であり、何を始めたとしても最初は効果があるでしょう。

しかし、あまり効果的でないことをやっていたとしたら結果が頭打ちとなり離脱の原因となってしまいます。

①効果を数字で感じ取る

数字で効果、結果が確認できるのはわかりやくて良いですよね。

体重、体脂肪率、ウエストサイズ、筋肥大目的の方であれば胸囲や腕の太さなども当てはまるでしょう。
健康目的の方であれば血圧や、脂質やコレステロールの値なんかも良いです。

もちろん、筋トレであれば回数や扱っている重量などもわかりやすくて自身の成長が感じ取れます。

②効果を見た目で感じ取る

数字での改善は頭打ちになりがちです。
そんな時は見た目もやはり重要です。

筋トレ好きの人が鏡でポーズを取っているのに引け目を感じている人もいるかもしれませんが、ダイエット経験のある方であれば自宅の鏡の前でウエストをチェックしたりしたことはあるはずです。

もちろん人前で無理に行う必要はありません。
たまにでいいので自宅の鏡で確認してみて、どこかカラダに良い変化を感じ取ることができれば間違いなくモチベーションに繋がります。

③効果を仲間と認め合う

同じような仲間がいるのも良いですよね。

無理に褒め合う必要はありませんが、自分で気づけていないカラダの変化を仲間が先に気づいて褒めてくれるかもしれません。

もちろんヤル気の低下時にも励ましあって継続率を高めることもできるでしょう。

④ ①~③を使い分ける

ずっと同じ①であったりにこだわる必要はもちろんありません。

数字がかわっていなくても見た目が変わっていればいいです。
もちろん逆でもいいです。

常に何か良い変化を感じ取り続けることに意義がありますので、視点をいろいろと移す工夫もしていきましょう。

まとめ

①ジム継続は異常に低い

ジムの継続率は思っている以上に低いです。
なんとなく入会、継続をしているだけでは過去の人達の二の舞になってしまいます。

②継続に必要な目的

継続にはトレーニングにはまる、健康オタクになる、他者との繋がり、などが重要です。

③継続するには

継続には効果的なことを行い、効果を実感し続けるのが重要です。具体的には数値でも見た目でも構いません。仲間との繋がりを持って褒め合う、励まし合うのも重要です。
常に何かモチベーションに繋がる変化を感じとっていきましょう。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。