ダイエット ボディメイク

整形外科医がフォワードランジを勧めてみる。

脚トレーニングの代表格と言えばスクワットがありますが、いくらスクワットが効果的と言われてもスクワットだけだと飽きてしまいますよね。何よりキツくて辞めたくなっちゃいますよね…。

トレーニング内容は時に変化をつけてカラダとココロに刺激を入れてあげることが必要です。

スクワットに飽きてきたのならフォワードランジはいかがでしょうか。
スクワットより広い可動域で強い筋力を必要とするトレーニングです。

フォワードランジの特徴・メリットを知り、トレーニングメニューに取り入れてみましょう。

フォワードランジとは

フォワードランジとは直立姿勢から脚を前に大股1歩で進め臀部を降ろしそして戻ってくるという片脚ずつ行うトレーニングです。

通常のスクワットより広い可動域でありながら前に1歩出る分カラダが加速し、かつ片脚ずつになるため負荷の強いトレーニングになります。

また後ろ脚は股関節が伸展(後ろに伸びる)される状態であるため、通常のスクワットではない動きも混ざります。

ロコトレにも紹介されています

日本整形外科学会が推奨する‟ロコトレ”の中で
ロコトレにプラスするならこんな運動
と紹介されています。

メリット

①違う刺激が入る

一般的にはカラダは3カ月ぐらいで慣れてしまうと言われています。
どんなに強い刺激を入れていたとしても良くも悪くもカラダは慣れてきてしまいます。
重量で負荷を上げつつ、毎回のように成長を感じられているのであれば良いでしょう。

しかし、「ここのところ成長を感じられない」、「強くなっている気がしない」、などマンネリが生じているのであればトレーニングに変化をつけなければいけません。

フォワードランジに限っての話ではありませんが、トレーニング変化をつけることには大きな意味があります。

②心のリフレッシュにもなる

カラダだけではなく心も同様に‟慣れ”が生じてしまいます。
仮にトレーニング効果の実感が得られていたとしても、同じトレーニングを3カ月以上続けていたのであればトレーニングを変えることには意味があります。

なぜなら心のリフレッシュにも繋がるからです。
実際に変えてみればこれまでと違ったカラダへの刺激を感じることができ、またトレーニングの楽しさを再実感できることでしょう。

③日常生活に近い動き

通常のスクワットはトレーニング効果に定評はありますが日常生活に焦点を置くと両脚を揃えて動くということは少なく、起立時の動作ぐらいです。

フォワードランジは大股の1歩の様な動きであり、‟歩く”という日常生活に近い動きと言えます。

ヒトは筋力もさることながら関節の可動域も年齢と共に低下していきます。
時に可動域をしっかり出すトレーニングも必要と言え、フォワードランジは最適解と言えるでしょう。

④負荷が大きい

一歩あるき出して行う分だけカラダの加速度を支えて止まらなければいけません。しかも片脚です。自重で行ったとしても必然的に負荷が大きくなります。

もし普段、自宅で自重のスクワットしかやっていないという方であれば負荷のUPにもってこいでしょう。

⑤バランス支持が必要とされる

通常の歩行でもヒトは無意識のうちにバランスを取って歩いていますが、当然フォワードランジの際もバランスを取ります。

そして大股である分、負荷が強い分、通常の歩行よりバランス支持が必要となります。

実際に筋力が弱いとグラついてしまうかもしれませんが、その分バランスを取るのに必要な筋肉(中殿筋なども)が同時に鍛えられるということです。

⑥ハムストリングスの刺激が強い

負荷が強いこととも関連しますが、ハムストリングスへの刺激が強いことも特徴です。
通常のスクワットではハムストリングスへの刺激はやや弱点とも言えます。

器具を用いずにハムストリングスにエキセントリック収縮(伸長性収縮)という筋肉の成長には良い負荷がかけられる数少ないトレーニング種目でもあります。

⑦片脚ずつやれる

両脚で行うトレーニングは当然その分一気に疲労がきます。
フォワードランジは片脚ずつ行える分、疲労を分散することができます。片脚をやってから少し休むこともできますので、トレーニングに集中することにも繋がります。

デメリット

①負荷が強すぎることも..

負荷が強すぎて通常のスクワットがなんとかやれるという方だと施行できない可能性もあります。

無理をして転倒などをしても大変ですので最初から脚を開いた状態でやったり、手の支えを用いて行ったりといった工夫が必要になります。

②片脚×2であり時間がかかる

メリットの裏側にもなりますが、片脚ずつやれる半面時間がややかかります。

少ない時間でパッとやりたい方などからすればネックになってしまう可能性もあります。

やり方

通常ver.

右脚が前の場合。

①自然な直立姿勢を取ります。

②大股で1歩あるくように大きく右脚を前に出します。

※大きく前に出すほど負荷が強く不安定になります。徐々にどこまでやれるか確認しながら歩幅を広げていきましょう。

③足はまっすぐ(つま先を内側・外側などに向けたりしない)のまま脚を前に出した勢いのまま膝を曲げていきます。

※膝はつま先同様まっすぐ(つま先より内側・外側に入ったりしない)に曲げていきます。

④右膝はつま先より前に出さないで曲げていき、左膝が地面につく手前まで曲げていきます。

※始めは窮屈な感じがするかもしれませんができれば右膝を出すのは右足の真ん中(土踏まず)までにとどめましょう。右踵に重心が乗るぐらいのイメージです。

※途中からは膝を前に出すというイメージより臀部を降ろしていくイメージでやると膝が前に出すぎません。

⑤右脚で地面を蹴って元の直立の姿勢にまで戻ります。

⑥繰り返します。

わかりやすかった動画です

通常ver.ができない時は

負荷が強い分、いきなりは通常のフォワードランジができない場合があります。
ましてや無理をして転倒をしてしまっては大変です。

通常のフォワードランジが大変もしくは大変そうな場合は始めから脚を前後に開いた状態で上下に負荷をかけるという方法もあります。

始めから前後に開いた状態でもグラついてうまくやれないという方は片手で壁の支えをもって行うと安定してやれることがあります。

安定して行えるようになったら通常ver.に挑戦してみましょう。

メニューに組み込むべき方

・通常のスクワットでマンネリしている方

・ただ漠然と通常のスクワットをやっていた方

・普段からカラダが固いという不安がある方

・後ろ姿の美脚が欲しい方

組み込み方

・これまでスクワットを5セットやってきたという方であればフォワードランジ2セット、通常スクワット3セットなどの部分的な取り入れ方も良いでしょう。

・これまで2セットなど少なめであったフォワードランジに丸っと入れ替えるのも良いでしょう。

まとめ

⓪トレーニングには変化をつける必要があります。

どんなに良いトレーニングであったとしてもカラダには慣れが生じてしまうもので、時に刺激を変えていく必要があります。トレーニングが変われば気分転換にもなりトレーニング継続にもつながります。

①広い可動域で強い負荷がかけられます。

大きく脚を開いて前にカラダを出しながら行う種目でまた片脚ずつ行うことから強い負荷がかけられます。通常のスクワットより強い負荷となります。

②歩くという日常生活に近い動きで鍛えられます。

大股歩きのような動きとなり、日常生活に近い動きでトレーニングができます。カラダが固くなってきている、歩幅が狭くなりがちな方などにもオススメです。

③脚の後ろ(ハムストリングス)が鍛えられます。

通常のスクワットはハムストリングスを鍛えるのは苦手とされます。フォワードランジは自重でハムストリングスにエキセントリック収縮をかけるとができる数少ない種目であります。

④転倒に注意してやってみましょう。

負荷が強くバランスも要する種目ですので転倒は注意が必要です。通常のスクワットがなんとかという方は最初は手で支えを持ちつつやってみましょう。

 

 

 

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。