筋トレ 自宅

整形外科医が自宅で上腕(二の腕)を鍛えるのにダンベルフレンチプレスを勧める訳。

二の腕のトレーニングは女性人気の高いトレーニング部位ですよね。
二の腕のトレーニング、つまり上腕三頭筋のトレーニングにはコツがあります。

上腕二頭筋に走り勝ちな男性も見逃しがちです。

どうせやるなら効果的にやって結果を得なければ続きません。

上腕三頭筋を知り、オススメ種目であるフレンチプレスをやってみましょう。

上腕三頭筋とは

上腕三頭筋とは上腕部の後ろ側に付いている筋肉で主に肘を伸ばす際に使用されるます。
また肩を伸展(後ろに引く)する際にも使用されます。

上半身で3番目に大きな筋肉であり大胸筋と同等のサイズもあります。
上腕部の筋肉の2/3程を占める筋肉であり、

外側頭・内側頭

上腕骨の後面から始まり、肘に付着する筋肉で肘を伸ばす際に使用します。

外側頭は腕を後ろから見た際に外側に見えてくる筋肉であり、見栄えにこだわる方であれば意識すべきです。

長頭

肩甲骨の後方に始まり肘に付着する筋肉であり肘を伸ばすこと+肩を伸展(肩を後ろに伸ばす)する動作にも関与する二関節筋です。

腕を後ろから見た際の内側にある筋肉で、上腕三頭筋のボリュームに関わると言われています。

長頭が見逃されがち

見栄えには外側頭がメインで関わり、外側頭自体は腕立て伏せやベンチプレスといった人気種目で本人も意識しないうちに鍛えられがちですが長頭は見逃されがちです。

引き締まった二の腕を目指すにしろ太い上腕を目指すにしても、上腕を効率よく鍛えるためには長頭をターゲットとしたトレーニングを加えることが時に重要となります。

長頭を鍛えるには

長頭を鍛えるには長頭がストレッチされた状態で行うのが効果的と言わています。
つまり肩を屈曲(腕を挙上)した状態でのトレーニング、フレンチプレスやオーバーヘッドエクステンションなどが効果的とされています。

実際、2022年の研究にて肘を屈曲させた状態のトレーニングでは重量は軽いにも関わらず筋肥大効果が大きかったと示されています。

 

フレンチプレスのススメ

なぜフレンチプレスなのか

自宅で行うにはケーブルでのオーバーヘッドエクステンションはホームジムを構えている稀な人でなければ難しいです。

EZバーを用いたバーベルでのオーバーヘッドエクステンションもありますが、こちらも器具が揃っている人が限られます。

つまりダンベルだけで行えるフレンチプレスがオススメされるということになります。

やり方:片手

①ベンチに座りダンベルを肘を伸ばした状態で頭上へ持ち上げます。

②反対の手を軽く肘にそえて固定します。

②肘の位置は固定したまま肘を曲げていきダンベルを降ろしていきます。

③ダンベルを降ろしきったらまた上げて①の位置へ戻していきます。

片手のメリット

頭上にダンベルを持っていく際に軽量な分、容易に行えます。
肘を閉じて行うことができ、より長頭をターゲットとしたトレーニングが行えます。

片手のデメリット

高重量が扱えない

ポイント

上半身と肘の位置は基本は固定で変わりません。

肩の可動域が許せば肘は頭より後ろに位置するぐらい十分に挙上するのがいいです。肘を前や外側の位置に固定をして行うと重量の負荷が肘関節への負担となり肘関節を傷めてしまう可能性があります。

長頭狙いですので肘は開かないようにやるのがオススメですが肩の可動域の問題がありますので自身のカラダと相談をしながら行いましょう。

重量としては肘を開いた方が上げやすいと感じると思いますがあくまでも長頭狙いであればフォームの崩れない範囲の重量で行いましょう。無理をして高重量を扱うリスクも減らせます。

キツくなってきたり、無理のある高重量でやったりする場合では上半身や肘で反動を使ってスイングするようにやってしまう誤ったパターンにも注意が必要です。肘が前に位置しやすい原因にもなります。

ダンベルの上げ下げをする際は反対の手で肘の位置が動いていないかなどを確認しながらやりましょう。

やり方:両手

両手でやる場合も基本は片手と同様になります。
ダンベル両側の重りの部分を持ってやる形となります。

上半身・肘は固定して動かさないようにして行います。

両手のメリット

片手の倍以上の高重量を扱うことができます。

両手のデメリット

重量が重くなっていくと頭上に持っていくのが大変

肩が硬いと行うのが難しい

高重量な分、肘関節への負担が大きい

肘を閉じることができない

重量・回数

上腕三頭筋は速筋繊維の多い筋肉と言われています。

一般的な高重量であるギリギリ8~12回を狙うのも良いですし、極端にギリギリ6回ぐらいを狙うようなトレーニングもありでしょう。

よくある女性でペットボトルなどを用いて悠々と20回こなせるような負荷では足りません。

やり始めはいいかもしれませんがあくまでも必要な負荷をかけ続けることでトレーニング効果も継続して得ることができます。

もちろん女性で太くしなくない、といった心配は不要となります。

必要なもの

①アジャスタブルダンベル

自宅で行う場合ではアジャスタブルダンベルが必須となります。

固定重量のダンベル単品では負荷のレベルアップができませんので、いずれ頭打ちとなりヤル気の消失、トレーニングのフェーズアウト、ダイエット・ボディメイクの失敗となるのがオチで決まりです。

(②)リストラップ

いきなり高重量が扱える種目ではありませんので、必須ではありません。
重量が扱えるようになり手首に不安・痛みを感じる場合は早めに導入しましょう。

まとめ

①上腕三頭筋は鍛える必要性の高い大きな筋肉です。

上腕三頭筋は上半身3番目に大きな筋肉です。大きな筋肉を鍛えることはダイエット・ボディメイクにおいての近道となり効率的ですので積極的に鍛えていきたい部位になります。

②上腕三頭筋長頭を意識すると効果アップします。

長頭は上腕三頭筋のボリュームに関わる部分です。腕立て伏せやベンチプレスでは長頭は効率的には鍛えられません。長頭を意識したトレーニングを追加することでトレーニング効果がアップします。

③フレンチプレスがいいですよ。

自宅で行うのであればフレンチプレスがオススメです。手軽に行える種目ですが効果はバッチリですので、是非トレーニングに導入してみましょう。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。