背中を引き締めたい、かっこいい背中を作りたいなどの願望は男女を問わずあるものです。
また背筋の一部は脊柱起立筋群とも言われ、姿勢を維持するのに重要な筋群でもあります。
自宅で背筋を鍛えるといってもなかなか効果の実感が得られない人は多いのではないでしょうか。
ダンベルデッドリフトであれば背中を広範囲に同時に鍛えられます。
効果・効能を知りトレーニングに取り入れてみましょう。
自宅で背中を鍛えるのは難しい?
自宅で背中を鍛えるといえばすぐに思い浮かばれるのは‟バックエクステンション”でしょう。
手軽に自宅で器具もなしに行える種目ですが、動作範囲がかなり狭く限定され重りの負荷を加えることも難しいです。無理に稼働範囲を広く行おうとすれば脊椎を過剰に反ることになりカラダによくありません。
また背中というより主に腰のあたりの筋群に限局したトレーニングでもあります。
トレーニングベンチとダンベルがあれば‟ワンハンドローイング”がやれますが最初は効かせることがなかなか難しいのが問題になります。
懸垂台があれば懸垂がオススメされますが筋力の弱い方、女性などには負荷が強すぎるのが難点です。
ワンハンドローイングと懸垂は背中に焦点を絞ったトレーニングとなりますので、逆に脊柱起立筋群を鍛えるのは難しいです。
背中を鍛えるとひとことに言っても背中の範囲が広く、満遍なく鍛えるとなるといくつものトレーニング種目をこなしていかなければいけなくなってしまいます。
背筋は健康にも重要
高齢の方で背骨が曲がって猫背になっているという状態を見たことはありますよね。
高齢者の猫背で脊椎の骨や椎間板などが変性を起こし実際に潰れてきておこっている状態は不可逆性ですが、若者でも姿勢が悪く猫背の状態は意識をすれば一時的には改善します。
姿勢の維持、猫背からの改善に背筋が必要となります。
猫背になると視線が下を向く形となり転倒リスクが上昇します。
高齢者にとって転倒は非常に危険な因子となりえます。
変性が進行した高齢者と言えども可逆的な要素の部分は背筋で補正が可能です。
つまり背筋が健康に関わっていると言っていいでしょう。
デッドリフトとは
デッドリフトとは通常バーベルを用いて行われます。
バーベルを床に体と水平に置いて持ち上げるという言葉にすれば単純なエクササイズになります。
名前の由来としては
「死ぬほどキツイ」
という説や
「死者を持ち上げる動作に似ている」
などの説があります。
背中・腰はもとより深く降ろせば脚・臀部も含め広範囲かつ同時に鍛えることができます。
メリット
デッドリフトでは様々なメリットが享受できます。
①背中・腰が広範囲かつ同時に鍛えられる
動作中は常に背中・腰に負荷がかかる状態となっており同時に広範囲に鍛えられます。
背中・腰を鍛えると言っても満遍なく鍛えるとなれば懸垂をやったりダンベルローイングをやったり、またそれぞれの種目でも手幅や引き方を変えたりと大変です。
デッドリフトもバーベルであれば手幅の工夫はありますが、基本はデッドリフトのみで広範囲をまかなえます。
②時間効率が良い
広範囲を同時に鍛えられますので時間効率が非常に良いです。
時間がなければ背中はデッドリフトの1種目に限定するのもありです。
日々時間に追われる現代人にとって時間を味方につけることも重要でしょう。
③高重量が扱える
カラダを起こしながら腕を引く動作はありますが、通常の背中のトレーニングのように‟腕だけを後ろに引く”という動作はありませんので高重量を扱うことができます。
筋肉の刺激としては通常ではコントロールできる重量にてしっかり収縮・伸張させることが重要ですが、時に高重量という刺激も重要となります。
高重量の刺激という意味ではデッドリフトはまさに最適解でしょう。
④脚・臀部も鍛えられる
重りを降ろす深さにもよりますが、降ろせば降ろすほどに脚・臀部への刺激が増していくと考えていいです。
脚・臀部は別のトレーニングに分けてやるという明確な意図がなかったり、ボディメイク・ダイエットが目的なのであれば、深く降ろすことをオススメします。
ただ深く降ろすことで扱える重量はやや減ってしまいます。
背中・腰への刺激をとにかく強めたいのであれば膝あたりまでしか降ろさない‟ハーフデッドリフト”というやり方の方が良いでしょう。
⑤あれこれ考えなくて良い
背中のトレーニングを部位・時間・重量などを考えると最初の頃はよくわからなくなってしまいます。
複数の種目であると迷ったあげく間違った選択をしてしまう可能性もあるでしょう。
デッドリフトはトレーニーの間でもやるやらないがわかれる種目ではありますが、デッドリフトが強い人はみんな背中が強いと言えるぐらいの種目です。
迷ったり、間違った選択をしてしまうぐらいであればあれこれ考えずデッドリフトをやっておけば間違いないです。
デメリット
①動作の修練が必要
デッドリフトの動作を言葉にしてしまえば単純な動作になりますが、実際に行うとなるとまた違ってきます。
多関節種目であり動作のフェーズによって意識するべきところを変化させなければいけません。
降ろす深さによっても違いが大きいですが、深い位置での下半身の扱い方は重要です。
もちろん他のどのトレーニングにも言えることですが動作の習得は頑張る必要があります。
②キツイ
名前の由来通りになってしまいますが「キツい」です。
キングオブトレーングと言われる‟スクワット”に匹敵するキツさです。
ポジティブに考えればその分だけ効果が高いと言っていいでしょうが、いきなりこれまでやっていたトレーニングにデッドリフトをただプラスするという方法ですと嫌になってしまう可能性があります。
トレーニング初心者であれば最初はメリットの内容も踏まえてデッドリフトだけに絞って‟これだけで終わり”ぐらいの意識でやった方が良いかもしれません。
③やり方を間違えると腰に負担が
重たいものを持って怪我をせずとも腰が痛かったことがある経験をしたことがある人は少なくないでしょう。
デッドリフトを腰を曲げた状態で行ったり、過度に沿った状態で行ったりすると腰への負担が激増します。
腰のトレーニングですので腰に‟負荷”はかけなければ行けませんが誤った‟負担”は禁忌となります。
やり方
足幅からしていろいろなやり方があります。
ここではスタンダードなデッドリフトについて説明します。
①ダンベルを肩幅よりやや広く足幅をとって逆ハの字に置きます。
②ダンベルのバーの部分にスネが当たるぐらい接近して立ちます。
③お尻を後ろに突き出すようにして降ろし、手も降ろしてバーをキャッチします。
この際、窮屈な感じがすると思われますがバーとスネが離れないように当てたままぐらいを意識します。
④脚に力を入れて持ち上げていきます。重心は足の真ん中を意識します。
バーで脚を擦り上げるイメージで。決して脚から離してはいけません。
腰は自然な曲がりをキープするだけ。腰で引こうとはせず、脚で持ち上げます。
⑤ダンベルが膝ぐらいの高さまで来たら上体を起こす意識をしていきます。
⑥股関節が伸びきる手前で挙げるのは終了です。
⑦ゆっくりと③の状態まで降ろしていきます。
取り入れ方
デッドリフトを導入する場合は始めのうちは背中のトレーニングをデッドリフトに種目を絞るのがいいかもしれません。
むやみやたらに種目を増やせばひとつひとつの制度が落ちます。
効果がないどころか怪我につながってしまっては後悔しても遅いぐらいです。
余裕があれば他の背中の種目もやることをあえて止めはしませんが、しっかりデッドリフトがやれるようになってからでもいいでしょう。
必要なもの
①アジャスタブルダンベル
バーベルの方がより高重量を扱えるメリットはありますが、自宅ではなかなか厳しいでしょう。まずは重りがなければ始まりません。
ダンベルでも高重量を扱えますのでアジャスタブルダンベルが絶対欲しいです。
②パワーグリップ
高重量を扱える分、持っている手・腕がキツくなりがちです。
背中・腰のトレーニングなのに手がキツくてトレーニングにならないなんてことも起こりがちです。
パワーグリップを活用しましょう。
③リフティングベルト
腰を守ってくれるベルトです。
またベルトをまくことでさらなる高重量を扱うことができるようにもなりますので必須アイテムと言えます。
まとめ
①背中・腰のトレーニングは難しいです。
人気の背中トレーニングですが種目が多くすべてこなすのは最初は難しいです。
②背筋は重要な筋肉です。
背筋は大きな筋群で姿勢を保つ上でも重要な筋群でありやはり鍛えることは重要です。
③迷ったらデッドリフトをやっておけば良いでしょう。
あれやこれやよくわからず迷ってしまうぐらいなら始めのうちはデッドリフトだけ
やっておけば間違いないでしょう。
④怪我には注意が必要です。
怪我には注意が必要です。怪我をするならまず腰でしょう。
とにかく腰を曲げたり過度に沿った姿勢でやることだけは回避しましょう。
⑤トレーニングギアを活用して効率よくやりましょう。
非常にキツいデッドリフトですが、トレーニングギアを使用して負担を減らして
効率的にトレーニングを行いましょう。