ダイエット ボディメイク

整形外科医がダイエットにこそ筋トレが必須と考える訳。

男女を問わず、”ダイエットしたい”、腕を・お腹を・脚を、”引き締めたい”という声はよく聞かれます。しかし筋トレという選択肢は敬遠されがちです。

カロリー制限だけのダイエットだけでは筋肉は減り・代謝は落ちてしまいます。
30代以降は筋肉が勝手に減っていきます。
ダイエットにこそ筋トレは必須なのです。

筋トレの重要性を知り、誤解を解くことで筋トレを始めてみましょう。

なぜダイエットに筋トレが必要なのか

①代謝

ヒトのカラダは寝ているだけでも基礎代謝というカロリー消費があり、勝手にカロリーを消費してくれます。基礎代謝の中でもまさに筋肉は勝手にカロリーを消費してくれるダイエッターにはありがたい存在なのです。過去の報告では筋肉1kgあたり13kcalと言われたり、徐脂肪体重1kgあたり50kcalと言われたり様々です。それだけ聞くと「たったそれだけ?」という反応が聞こえてきそうですが仮に筋肉1kgあたり30kcalと低めに見積もったとしても年間10950kcal、脂肪1kgの燃焼には7200kcalが必要と言われいますので、数値上は何もしていなくても脂肪が1kg以上消えてくれることになります。現実はそううまくはいかないことが多いですが…

②30代からは落ちる一方

特に運動をしなければ30歳ごろより筋肉は減少していき、60歳まで年間0.7%のペースで減少し、60歳以降は加速し減少率は年間2%となる(80歳での最大筋力は60歳時の半分)という報告があります。また、全身持久力は20歳から年間1%で低下すると言われています。
もし仮に病気・怪我などがあれば一時的にはもっと加速して筋肉は減っていってしまいます…

③ダイエット時に一番落ちる

ダイエット、一般的な減量、脂肪を減らすという行為を行う際には筋肉も当然減ってしまいます。ボディビルダーなどの筋肉のプロフェッショナルとも言える人達が常人には達成不可能なような過酷なトレーニングと高タンパク質を摂取という厳格な食事制限下にボディメイクを行っても筋肉はやはり減ってしまいます。ましてや筋トレなし、タンパク質管理のないカロリー制限のみのダイエットでは筋肉はどんどん減っていってしまいます。

筋トレへの偏見

①ムキムキにはなりたくない

未だにはびこる偏見として筋トレを勧めると「ムキムキにはなりたくない」や「太くはしたくない」などの意見をよく浴びせられます(ちなみにこういった意見は”あるある”で筋トレ愛好家を少しイラっとさせます笑)。しかし、無用な心配と言えます。”宝くじで〇億円当たったらどうしよう💦”と同等に無用です笑。あなたが想像されるような”ムキムキ”は今のあなたが想像がつかないぐらい厳しいトレーニングを年単位で継続をしてようやく得られた結晶であり、少しやってみたぐらいでは絶対になりません。もしあなたが宝くじに当たるぐらい遺伝的とても優秀で少しやっただけで希望のしない”ムキムキ”になってしまったとしても対策は簡単です。トレーニングを辞めればいいだけです。実際、周囲にムキムキな人はいても、意図せずムキムキになってしまった人はいませんよね?

②プロテイン

プロテインは筋肉を増やす・減らないように減量するためにとても有用なアイテムです。しかし、世の中では未だにプロテインとドーピングの区別がついていない方もいます。本来”プロテイン”という言葉は”タンパク質”のただの英語です。タンパク質は3大栄養素のひとつで当然とても重要なのですが、プロテインと聞くとどうしても筋肉のイメージが強くなってしまうのが現状です。タンパク質は他にも髪の毛・皮膚・爪・骨、臓器などの元となっており重要なのです。

③筋トレをすると早死にする

むしろ筋肉量が少なければ寿命は縮まります。一部のプロのボディビルダーはアナボリックステロイドであったり成長ホルモンといった類のオリンピックなどでは禁止されている薬物を使用します。特に昔はその薬物のリスクもよくわかっていなかったこともあり早死にするというエピソードはあった様で、実際にあった早死にのエピソードからついた偏見でしょうか。薬物を使用しなくとも何事もやり過ぎればカラダに良くないということはなんとなくイメージでわきますよね?ただ実際にはその”やりすぎ”の定義は非常に不明確で、WHOのガイドラインでも「18歳から64歳の一般成人は1週間のうち2日は中強度以上の負荷をかけた筋力トレーニングを取り入れるべきである」としています。

まとめ

①筋肉は重要だが勝手に減っていく

筋肉は基礎代謝に関わりダイエット、ボディメイクをする上で重要な組織ではありますが、成人以降は年齢と共に勝手に減っていってしまいます。間違った方法のダイエットをすれば若い人であろうが筋肉は減っていってしまいます。

②正しい理解

筋トレをしても勝手に”ムキムキ”にはなりません。時にはプロテインを使用して正しい栄養摂取と筋トレを併用することで確実に健康につながります。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。