筋トレの中で大人気種目の腹筋運動。老若男女を問わず好まれて行われます。
腹筋運動と言えば、”上体起こし”や”クランク”と呼ばれるトレーニングが一般的でしょう。ジムでトレーニングマシーンを使って行うのも同様です。
下腹部のトレーニングとして”足上げ腹筋”なるものも人気ですよね。
しかし腹筋は小さな筋肉でありダイエット・ボディメイクにおいて腹筋運動に時間を割くのは非効率的(詳しくはボディメイク・ダイエットに腹筋運動は必要か?不要か?)と言えます。
腹筋ローラーであれば腹筋に加え全身のトレーニング種目としてオススメできます。
どうしても腹筋を鍛えなければ気がすまないぐらいであれば腹筋ローラーがいいでしょう。
腹筋ローラーのメリット・デメリット・注意点などを知っておくのが重要です。
腹筋ローラーのメリット
①とにかく強烈に腹筋が鍛えられます
別項で記載していますが、初心者~中級者ぐらいまでは腹筋運動自体が不要というのが僕の考えです。実際にボディービルダーの人でも腹筋運動はやらないという人が半数です。
腹筋運動に割く時間をもっと別の全身のトレーニングに費やすほうが効率的です。
時間に余裕のある方、それでもやっぱりどうしても腹筋を鍛えたいという方であれば”腹筋ローラー”をオススメします。
筋肉の活動は筋肉の収縮で起こります。収縮は主に下記の3種類に分けられます。
ⅰ:コンセントリック(短縮性)収縮
ⅱ:エキセントリック(伸長性)収縮
ⅲ:アイソメトリック(等尺性)収縮
この中でⅱのエキセントリック収縮が力を入れながら伸ばしていく収縮で一番、筋肉が切れやすく、筋トレの効果が高いです。
腹筋ローラーで全身を伸ばしていくと腹筋も伸ばされ強烈にエキセントリックな収縮が入ります。そして全身を伸ばせば伸ばすほど力点(ローラー)・作用点(足)の距離が増し支店(腹筋)へかかる負荷も強くなっていき、よりいっそうの強い収縮につながります。
他の一般的な腹筋運動はコンセントリックな収縮が多く、最後の短縮しきる状態で負荷が抜けてしまいます。上体起こしで体を起こしきった状態、足上げ腹筋で足を上げ切った状態では楽になりますよね?
何より高回数こなせるのは負荷が弱い証拠です。
②腹筋以外も同時に鍛えられます
腹筋ローラー、アブローラー、コロコロなどいろいろな呼び名で呼ばれますが、実は腹筋だけでなく広範囲に鍛えられます。
大胸筋・広背筋・上腕三頭筋・腸腰筋・大腿直筋などです。
いづれも大きな筋肉であり男女問わずボディメイクにおいて人気な部位ですよね。
つまり腹筋ローラーで全身のトレーニング・ボディメイクにつながりうるということです。
種目数を絞ってトレーニングをしている方に特にオススメとなります。
③自宅で手軽に行えます
腹筋ローラーはスポーツショップ、ホームセンターなどで2000円もあれば購入できます。場合によっては千円もしません。
大手通販サイトでも2000円もしません。
そして自宅で1畳分程のスペースがあれば十分です。
ついついジムに行くのが億劫になってしまう心配はありません。
また自宅のスペースを占拠してしまう心配もいらずに配置できてしまうのです。
デメリット
デメリットもあります。
もちろん知っていることで対策は可能です。
対策を行い腹筋ローラーのメリットだけを享受してしまいましょう。
①強度の調節が難しい
まずは強度の調節が難しいということです。
腹筋ローラーには”膝コロ”と言われる膝をついて行うやり方と、”立ちコロ”と言われる膝ではなく足をついてやる方法があります。
膝コロの方が負荷は軽いのですが、膝コロですら女性でいきなりやるのは難しいでしょう。男性でも運動経験がない人などできない人はいます。
ですので最初に膝コロができない状態から始まると、負荷が強すぎるのですがそれ以上負荷を弱めることができないのが欠点なのです。そのため、これ以上進んだら潰れるというギリギリのラインを探りながら壁に向かってやる方法や、ゆっくり潰れるまでなるべく頑張って進み、潰れたら手をついて戻るを繰り返すなどの妥協策で対応します。
妥協策というぐらいですので、ローラーを伸ばし切った状態のもっとも強く・エキセントリックな収縮を腹筋にかけることができないのです。
また膝コロと立ちコロの間には大きな負荷の差が存在します。伸長・手足の長さにもよりますが膝コロで30回ぐらい平気でできても立ちコロは1回もできません。例えるならベンチプレス50kgと150kgぐらい違いがあります。
ですので、この間を埋めるにも壁を利用したり、潰れる方法を用いて少しずつ負荷を強める妥協策でレベルアップをはかります。
②腰を痛めやすい
ローラーで体を伸ばしていく際は常にエキセントリックな収縮が腹筋にかかりますが、無理をして筋力の限界を超えるとコントロールができず腰を沿って腰で無理やり支える状態で行うことになってしまいます。
これは非常に腰を痛めやすいです。
ヒトの腰椎は生理的に前弯(前に反るっている)しており、真っすぐ仰向けに寝ている状態でも腰椎は前に反っています。ローラーでコントロールができず腰を沿って支えるという状態は生理的前弯をさらに超えて前に反る形となり、かつその沿った危険な状態で腹筋ローラーの強い負荷が加わりますので、危険なのです。
ただそういった意味では下腹部狙いでよく行われる仰向けに寝て行う足上げ腹筋も沿った状態で常に負荷がかかっていますので危険です。実際に腰が痛くなる経験をしたことがある人もいるでしょう。
仰向けでの腰椎の生理的前弯は股関節を屈曲させることで解消されます。ですので、上体起こしやクランクなどでは股関節を屈曲させることで腰への負担を軽減できます。
腹筋ローラーはあえて腰を曲げて行う意識でやりましょう。
③腹筋上部はやや難しい
腹筋は胸の近くの上部~下部まで長い筋肉です。
腹筋上部は上半身を丸める動作、腹筋下部は股関節を屈曲する動作で主に使われます。
腹筋ローラーはその性質上で股関節を屈曲する動作がメインとなりますので、腹筋下部・腸腰筋に効きやすいです。
もちろん上部も鍛えられますが、腹筋上部ももっと鍛えたいのであれば腰を傷めないようにする意識と同様に腰を曲げる意識・上半身をやや曲げるぐらいの意識で行うのが良いでしょう。
④極めればお腹が出っ張る
腹筋も筋肉ですので鍛え過ぎれば太く分厚くなっていきます。お腹を引き締めたいという目的でやる人には分厚さは求められていないですよね?
有名どころで言うと陸上のウサイン・ボルト選手は腹直筋の厚みは感じませんが、やや出っ張って見えます。これは深部の腸腰筋の発達によるものでしょう。また腹直筋ではありませんが、クリスティアーノ・ロナウド選手や魔裟斗選手は蹴る動作により腹斜筋が異常に発達しており、胴回りが分厚くなっています。もちろんカッコいいです。
人気youtuberでボディビルダーのサイヤマングレートさんという方がいらっしゃいます。大会で優勝などもされている方です。サイヤマングレートさんは腹筋は腹筋ローラーしかやっていないとおっしゃっていますが、大会の動画などを拝見しても腹筋の凹凸が群を抜いています。2019年 日本ボディビル選手権覇者の横川尚隆さんをして”日本一”、もしくは”世界一”の腹筋と言わしめています。
サイヤマングレートさんの場合、腹直筋+腸腰筋も発達していると思われだいぶ腹筋で腹部が出っ張っていますよね。。。恐ろしいぐらいの腹筋です。
くわしくはコチラをご参照ください。
もちろんこれから腹筋ローラーを始めるという方には99.9%以上の確率で余計な心配です。
上記のような分厚さを出すには腹筋ローラーを極めるぐらいの領域にいかなければ到達できませんので安心してトレーニングを行ってください。
やり方
やり方は個人的偏見をもとにわかりやすい動画をコチラのyoutubeから供覧させていただきます。
まだ腹筋ローラーができないという方、立ちコロはできないという方向けの練習方法もわかりやすく説明してくれています。
全身が鍛えられるとは言っていますが、大胸筋と広背筋は多少意識・やり方で違ってきます。この違いは”プルオーバー”という種目と同様となります。
大胸筋狙いであれば、肘を曲げて行います。そうすることで肩関節の内転という動作になり大胸筋が使用されます。
広背筋であれば肘は伸ばして(伸ばしきってロックはしない)行います。そうすることで肩関節の伸展という動作がメインとなり広背筋がターゲットとなります。
あえて上体を伸ばして肩の動作だけで負荷をかけるという応用もありますが、これから腹筋ローラーを始めるという初心者の方はまずは怪我をせずに腹筋ローラーができるようになるということが第1の目標となりますので、当分は自身のやりやすい腕の形で良いでしょう。
ローラーの違い
大手通販サイトで購入する場合、調べてみるとわかるかと思いますが、腹筋ローラーといってもかなり多くの種類があります。
初見では何が違うのかということで悩んでしまうことでしょう。
基本的な違いはローラーを伸ばして戻る際にバネがついているかどうかの違いに注目しておけばよいです。バネがついているものは体を伸ばして戻る際にアシストをしてくれます。
特に女性であれば絶対と言えるほどバネ付きがいいです。
男性でも筋力に自身がなければバネ付きにしておくのが無難です。
「バネ付きで立ちコロをやるぐらいでは負荷に満足できない」
というかなり鍛えられた状態に達することがあれば、それからバネなしを購入するのでも決してトレーニングの進みに遅れが出るということはありません。
費用も2000円の差も出ません。
バネ以外には大きな差はありませんので、迷ったら安いものを購入するのもありだと思います。
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まとめ
どうしても腹筋を鍛えたいのであれば腹筋ローラーがオススメです。
腹筋ローラーはとにかく強烈に腹筋が鍛えられます。
しかも腹筋だけでなく全身に近く広範囲で鍛えられ、安く手軽に自宅で始められる素晴らしいトレーニングです。
負荷が強すぎることもあるので、怪我への対策をしっかり行い腹筋を鍛えましょう。