ダイエット ボディメイク

整形外科医がベントオーバーローイングを考えてみる。

背中を鍛えたいと思っても何をやったら良いかわからないですよね。
もしくはとりあえずやってみたは良いけど「これで良いのかな?」と思っている方も少なくないはずです。

トレーニング始めの頃やよくわからない頃はトレーニング種目を絞ってやることも重要です。

ベントオーバーローイングがオススメです。
デッドリフト、懸垂に並ぶ背中の王道種目です。
ベントオーバーローイングなら背中の筋肉を網羅的に鍛えることができます。

ベントオーバーローイングの基本を知りそして実践していきましょう。

ベントオーバーローイングとは

ベントオーバーローイングとは直立姿勢からカラダを前傾しバーベルもしくはダンベルを上げ下げする種目です。

ベント(bent):曲げる

オーバー(over):上

ローイング(rowing):ボートでオールを漕ぐ動作

まさに見た目からついた名前の種目です。

鍛えられる筋肉

背中のメイン種目となり得るぐらい広範囲に鍛えられます。

広背筋、大円筋、僧帽筋、脊柱起立筋などはもちろんのこと、三角筋後部、菱形筋、上腕二頭筋なども一緒に鍛えられます。

メリット

①複数同時に鍛えられる

なんと言っても複数の筋肉を同時に鍛えられるというメリットは大きいです。トップ選手でも好んで行われることがあるぐらいの種目ですが、何をしたらいいかわからないという初心者の方にもオススメされます。

よくわからなければ「とりあえずベントオーバーローイングをやっておけばいい」ぐらいの感じです。

②上半身を倒す角度、肘を引く角度で鍛える部位を変えられる

ベントオーバーローイングは上半身を倒す角度や肘を引く角度によってメインで使用される筋肉の部位が変わってきます。

背中の上部を中心に鍛えたいのか、広がりを作りたいのか、厚みを作りたいのかなど様々な目標に沿った鍛え方にすることができるのです。

③自宅でもやれる

ダンベルがあれば自宅でも簡単に行うことができます。

取り組みやすく、効果が高いというのは重宝されます。

デメリット・注意点

①姿勢保持がキツイことがある

上半身を倒して行う分、脊柱起立筋や大殿筋などの筋肉を使用します。慣れないうちや疲労時などで上半身を強く倒した場合、脊柱起立筋が弱く姿勢の保持だけでキツい可能性があります。

デッドリフトの後にやる場合などもそうですが、姿勢の保持だけでキツい場合は引く動作に集中できない可能性が出てしまいます。

逆に初心者の方で姿勢の保持だけでキツイという方であれば先にデッドリフトでカラダを作ってからベントオーバーローイングに移行するとういのもありかもしれません。

②腕で引きがち

背中のトレーニング全般に言えることでデメリットではありませんが初心者あるあるの注意点として腕で引きがちという注意点があります。

引く動作の場合、肘の屈曲は不可避ですのでどうしても意識しやすい肘の屈曲(上腕二頭筋)だよりになってしまっている場合があります。

たとえ言葉で理解したとして、やっているつもりでも始めのうちは背中を意識して引くなどということはなかなかできません。

③可動域が制限される

ジムなどではバーベルで行われることが多いベントオーバーローイングですが、ダンベルで片手にて行うワンハンドローイングと比較するとやや可動域が狭いです。

ベントオーバーローイングの場合は引いた際にバーが胸・腹に当たれば終了ですが、ワンハンドローイングの場合は柔軟性が許せばさらに引くことができます。

またワンハンドローイングの場合は伸ばしていく際も腕を伸ばしきってからさらに上半身をロールさせて背中にストレッチをかけることができますが、ベントオーバーローイングの場合は両手ですのでストレッチをかけるまではやれません。

必要な物

①ダンベル or バーベル

一般的なやり方であればバーベルもしくはダンベルがあれば事足ります。

自宅でもアジャスタブルダンベルがあれば簡単に行える種目と言えます。

②パワーグリップ

背中トレーニング一般に言えることですがパワーグリップは必要でしょう。

どうしても腕がキツくなりがちです。仮に二頭筋も一緒に鍛えたいと思っていてパワーグリップを使用したとしても鍛えられますので是非とも使用したところです。

上半身、肘の引く角度、グリップ

上半身

上半身は一般的には45度ぐらいは倒してやりたいところです。
倒さずにより直立姿勢に近い方が重量は扱えますが使用される筋肉が僧帽筋上部となり種目としてはシュラッグという種目に近くなります。

倒し過ぎること自体のデメリットではありませんが、背中・腰が曲がってしまったりしない自身に合った角度でやりましょう。

肘・腕

肘を開いて腕を引く場合は肩甲骨の内転が強く関わってきますので、僧帽筋中部などによく効く背中の厚みを意識したトレーニングとなります。

逆に肘を閉じて行う場合は肩の伸展がメインとなることで広背筋がメインになってきますので背中の広がりを意識したトレーニングとなります。

グリップ

肘を開く角度によってグリップは変えましょう。

肘を開いて持つ場合は順手で持ち、逆に肘を閉じて行う場合は逆手で行うのがよいでしょう。

やり方

①設定した肘の角度に併せた幅でバーを持ちます。

②肩幅ぐらいの力の入れやすいスタンスで立ちます。

③お尻を突き出すようにしながら膝・股関節を軽く曲げて上半身を設定した角度まで倒していきます。

※重りをカラダの前に持つ分、重心は後ろに置いてやりましょう。

※怪我に繋がりかねますので、背中・腰は絶対に曲げないで行います。意識し過ぎて逆に反ってしまうのも危ないですので注意しましょう。

※あえて背中の曲げ伸ばしも併せて行う方法もありますが始めのうちは少なくともやめておくのが無難です。

④バーベルを狙った方向へ引いていきます。

※バーはカラダから離れないように行います。

※背中を全体的に鍛える場合はバーがしっかり胸・腹にあたるまで引き切る必要があります。
肘の屈曲(上腕二頭筋)メインで引いてしまっている場合はもちろんのこと肩の伸展(広背筋や大円筋)があっても引き切れていないことがあります。

僧帽筋を使用して肩甲骨の内転まで行うことでバーが引き切れます。
僧帽筋の意識が難しいうちは引き切った状態で1秒停止する意識でやりましょう。

⑤バーをゆっくり降ろしていきます。

導入の仕方

分割法の人は背中の日のメイン種目としましょう。
姿勢の保持などの問題がありますので順序としては始めの方にやっておきたいところです。

トレーニング初心者の方はベントオーバーローイング1種目だけに絞って習得していくのもアリだと考えます。

最優先すべきは正しいフォームですがフォームを維持できる範囲では重量UPを狙っていきたいです。
扱える重量がUPすることで成長が得られボディメイク・ダイエットとしても高みへと近づけてくれます。

まとめ

①ベントオーバーローイングは背中のメイン種目となりえます。

ベントオーバーローイングは背中を満遍なく鍛えることができる種目であり背中のメイン種目となりうる種目です。

背中のトレーニングで何をしたら良いかわからない場合などはひとまずベントオーバーローイングをやっておけば間違いないでしょう。

②上半身、肘の角度などによって鍛えられる部位が変わってきます。

上半身を倒す角度、肘を開く角度などによって鍛えられる部分が変わってきます。

基本は背中・腰が曲がらない程度にしっかりと上半身を倒して、肘は45度ほど開いてやりましょう。満遍なく鍛えることができます。

③フォームを最優先しながらも重量UPを狙っていきましょう。

最優先すべきは怪我をしないことです。
背中・腰を曲げてやって行うことだけは避けましょう。

また重量を狙うがあまり引き切れていないこともあります。重量に囚われ過ぎずしっかり引き切った上で重量をUPさせていきましょう。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。