ロコモ サルコペニア

整形外科医が引き締まった二の腕(女性)も太い腕(男性)も上腕三頭筋が必須と考える訳。

二の腕を引き締めたいという願望は女性であれば抱いたことがある人は少なくないでしょう。
男性であれば太い腕を作りたくて必死に上腕二頭筋を鍛えていませんか?

二の腕の引き締めも太い腕づくりも上腕三頭筋を鍛えることがとても効率的です。

上腕三頭筋の特徴、鍛えるべく理由を知りモチベーションに繋げていきましょう。

上腕三頭筋とは

男性の筋肉の象徴のひとつである‟力こぶ”の反対側、時に女性の振袖と揶揄されてしまう部分に上腕三頭筋はあります。

女性であれば30代を超えてくれば肥満の方でなくても‟振袖”と化してしまっていることはよくありますが、男性の場合は肥満の方でもあまり見かけません。

何故かと考えればやはり筋肉量の差の違いによるところが大きいでしょう。

役割

‟三頭筋”の名のとおり頭が3つに分かれており、肘を伸ばす役割と肩を伸展(腕を後ろに引く動作)する動作に分かれます。

外側頭・内側頭

上腕骨の後面に起始し肘頭(肘)に停止する、肘を伸ばす動作に関わります。

腕立て伏せ、ベンチプレスなどの種目で鍛えられるのは主に外側頭・内側頭になります。

長頭

肘頭(肘)に付着し肘を伸展させるのは同じですが、起始部が肩甲骨関節窩後下方に位置し肩を伸展(腕を後ろに引く動作)する動作にも関わります。
二つの関節をまたぎますので二関節筋になります。

フレンチプレスなどの肩を屈曲(上腕三頭筋長頭がストレッチした状態)して行うトレーニングでメインに鍛えられます。

背中のトレーニングなどの際にも同時に鍛えられます。

とても大きな筋肉であり鍛えなければ損をしているぐらい

上腕三頭筋は上半身の筋肉で3番目に大きな筋肉になります。
2番目の大胸筋と同じぐらいの大きさがあるのですが、そう言われるととても大きな気がしませんか?

つまりとても大きな筋肉であり、上腕三頭筋を鍛えることは男性であれば太い腕、女性であれば引き締まった二の腕を目指す近道になることはもちろんのこと、ダイエット・ボディメイクにおいての近道となり効率的なのです。

女性:二の腕引き締めに必要です

女性の方が筋量が少ないという理由から二の腕のたるみは発生しやすいです。
感覚的にもわかるのではないでしょうか?

10代の女性であれば何をせずとも引き締まっていることが多い実情を踏まえると、年齢と共に特に30代以降の筋肉の減少に伴って二の腕が緩んできてしまうのです。

食事制限や有酸素運動といったダイエットだけでは年齢による筋肉の減少には打ち勝てません。

積極的にトレーニングをすることで引き締め効果が得られますし、上腕三頭筋はもともと大きな筋肉ですのでトレーニング効果も得られやすいです。

男性:太い腕に必要です。

男性であれば特に何もしていなくても女性に比し筋量は多く、二の腕がたるむというところまではいかないことが多いでしょう。

男性でトレーニングをしている人であればやはり‟太い腕”や‟力こぶ”というところを目標としてトレーニングをすることが多いものです。

しかし‟太い腕”を目指すのにあたり専ら標的とされるのは上腕‟二”頭筋の方です。
もちろん‟力こぶ”そのものでありトレーニングをすること自体を否定する訳ではありませんが、上腕二頭筋は上腕三頭筋に対し半分ぐらいの体積しかありません。

上腕三頭筋を鍛えることで‟太い腕”を得る近道となることはもちろんのこと、三頭筋が後ろから押し上げてくれるため‟力こぶ”を際立たせてくれる効果も狙えますので鍛えなければ損をしているぐらいです。

トレーニング種目

外側・内側頭

男性であれば腕立て伏せ、ベンチプレスなどの種目で自然にある程度鍛えられていることが多いでしょう。
女性であればケーブルプレスダウンが重量設定がしやすくオススメされますし、男性同様に膝立で腕立て伏せというのも簡便でありです。

長頭

背中のトレーニングで一緒に鍛えれれていることはありますが、上半身のトレーニングが腕立て伏せやベンチプレスが中心という方は積極的に長頭を鍛えることで新たな効果を実感できるでしょう。

EZバーがあればスカルクラッシャーで重量を狙いに行くのもありです。

長頭単独で狙いに行くのであればケーブルを用いたオーバーヘッドトライセプスエクステンションがオススメです。

またダンベルであればワンハンドで行うオーバーヘッドトライセプスエクステンションも自宅で行えてオススメです。

トレーニングへの組み込み方

どういうトレーニング分割、メニューの組み方をしているかによって組み込み方は変わっていきます。自身に合った日に組み込んでみましょう。

①上半身の日

上腕三頭筋は大きな筋肉です。上半身の日という分け方をしているのであれば積極的に上腕三頭筋メニューは組み入れたいところです。

②胸・肩の日(外側頭・内側頭)

胸・肩を鍛えている方であれば一緒に上腕三頭筋、特に内側頭・外側頭も鍛えられているでしょう。上腕三頭筋をターゲットとしたメニュー、また内側頭・外側頭に絞ったメニューを追加するのもありです。

③背中の日(長頭)

長頭は分けて背中の日に組み入れるのもいいでしょう。
通常の胸のプレス系のトレーニングとは別に長頭にターゲットを絞って鍛える日があるとまた違った刺激を入れることができます。

まとめ

①上腕三頭筋は大きな筋肉で積極的に鍛える価値があります。

上腕三頭筋は上半身で3番目という大きな筋肉であります。大きな筋肉を鍛えるということはトレーニング効率・時間効率・カロリー消費・などいろんなメリットがあります。

②女性の引き締まった腕、男性の太い腕に必要な筋肉です。

女性が引き締まった腕を目指すにも、男性が太い腕を目指していくにも上腕三頭筋を見逃してしまっていてはいけません。

③内側頭・外側頭、長頭に分けて考え、またトレーニングにも工夫を入れましょう。

上腕三頭筋には内側頭・外側頭と長頭でそれぞれ働き方が違います。違いがあることだけでも理解してトレーニング内容に工夫を加えて効果を得ていきましょう。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。