自宅で筋トレをする際に基本と言っていいぐらい‟腕立て伏せ”はよく行われます。
しかし‟腕立て伏せ”のみで見違える成果を得たという人はあまり聞かないでしょう。
なんとなくやっているからでしょう。
また腕立て伏せのやり方次第では手首や肩の怪我にも繋がりかねます。
もちろん腕立て伏せ自体に効果がない訳でも危険なトレーニングという訳ではありません。
プッシュアップバーを使用して腕立て伏せを行うことで大きく効果を高め、怪我の予防にもなります。
今一度、腕立て伏せというトレーニングを再考してより良い結果を得ましょう。
腕立て伏せの良いところ
自宅でできる
まずなんと言っても自宅でできるというメリットは大きいです。ジムに行く必要もなく畳1畳分ほどのスペースがあればできます。
腕立て伏せのみであれば5分もあればそれなりのトレーニング量が確保できます。
よくある‟トレーニングをする時間がない”という問題は解決します。
トレーニング効率が良い
腕立て伏せはコンパウンド種目と言われ複数の関節を同時に動かすトレーニングです。
主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋という上半身で大きな筋肉BEST3を同時に鍛えることができるのです。
またイメージがないかもしれませんが、その他にも腕立て伏せの姿勢をキープするということ自体が体幹部・コアマッスルを鍛えることにもつながりますので、非常に効率が良いのです。
試しに腕立て伏せのスタートポジション(肘がまだ伸びている状態)をただキープしてみてください。
1分もしないうちに腹筋も含めてツラくなってくるでしょう。
腕立て伏せの中でもバリエーションが豊富
ひとえに腕立て伏せと言っても工夫次第で様々なバリエーションがあります。
女性であればいきなりつま先での腕立て伏せは難しいものですので、膝をついてやる方法がありますし、手をつく幅・肩の角度・肘の角度などでどこに筋肉に効きやすいかが異なってきます。
また筋力の強い男性であれば通常の腕立て伏せにすぐにカラダが慣れてしまうこともあり得ますが、足を台に乗せてみたりすることでまた異なる刺激を与えることができます。
腕立て伏せの問題点
手首に負担がかかる
整形外科の観点からすると、手首の怪我というのがまず心配されます。
通常の床に手をついて行う腕立て伏せでは手関節が90°背屈した状態(手首が後ろに沿った状態)で行われます。
この後ろに沿った状態は非常に手関節に悪いのです。
肩に負担がかかりやすい
手首ほどではありませんがやり方次第では肩への負担も出てきてしまいます。
通常腕立て伏せをやるとなれば、手をそのまままっすぐ床について行うと思います。
手をまっすつ床についた状態は通常肩が内旋している状態になります。
肩が内旋した状態かつ肘を開いた状態の腕立て伏せを行うと肩のインピンジメントという状態を起こしかねます。
肩のインピンジメント自体でも痛みを起こすことがありますし、長期的には腱板損傷という怪我にもつながりかねます。
深く降ろせず、ストレッチが不足してしまう
筋トレを効率よく行うためには筋肉の最大可動域でやることです。
収縮は胸が上がっている腕を伸ばした状態になりますので限界となります。
また胸を降ろしていっても、胸が床についてしまうためそれ以上に筋肉を伸ばすことはできないのです。
自重以上に重量を増やすことが難しい
男性で筋力がある程度強ければ、すぐに10回以上できるようになる方もいるでしょう。
一般的には筋トレはギリギリ8~12回できる負荷が良いとされています。
腕立て伏せの場合は自重以上に負荷を増やすことが難しいです。
厳密に言えば重りを背負う、子供に背中に乗ってもらう、ヒトに背中を押してもらうなどもありますが自宅で簡単に行うというメリットが損なわれてしまいますし、さらに負荷を上げていくのもまた手間がかかってしまいます。
腕立て伏せの質を改善するために
プッシュアップバーを購入しましょう
ホームセンターや薬局、スポーツショップなでもよく見かける‟プッシュアップバー”があれば怪我・ストレッチの問題の改善に繋がります。
ネットでも2000円もせずに購入できます。
2000円も満たないシンプルな商品ですが、効果は絶大で腕立て伏せの質をグンと引き上げてくれるのです。
手首の負担が激減します
プッシュアップバーでやる場合はバーを握った状態、手関節を中間位でやることができます。
腕立て伏せは手首を中間位でやるべきである。
J Hand Ther. 2018
手関節背屈位での腕立て伏せは中間位と比較して手関節の圧力を増大させる
J Hand Surg Am. 2018.
深く降ろしてストレッチがかけられます
プッシュアップバーを使用することで最低でも10㎝ほどは通常の腕立て伏せより胸が床から離れます。
つまり10㎝分深く胸を降ろすことができるようになり、ストレッチがかけられます。
ちなみに似たような種目でベンチプレスという種目がありますが、ベンチプレスの弱点もバーを胸までしか降ろせないことです。
最後により深く降ろせるようになった10㎝は非常にキツいです。
腕立て伏せがしっかりできない人が胸をほとんど降ろすことができません。
深く降ろしていく段階で筋力が足りずに潰れてしまいます。
より深く降ろすにはより強い筋力が必要となるのです。
プッシュアップバーを使用すれば強烈なストレッチ+より強い負荷を得ることができるのです。
プッシュアップバーを使った腕立て伏せ
バーの向き・肘の開き
腕立て伏せの怪我のリスクでもお話した通り、バーを横に置くと肩が内旋した状態になります。より肩にやさしくという意味でバーは縦に置くかハの字ぐらいがよいでしょう。
バーを横向きに置くことが決してダメという訳ではありません。
横向きに置く際は肘をカラダから開き過ぎないようにしてください。
肘をカラダに閉じた方が上腕三頭筋に。
肘を開いた方が三角筋に効きますが肩のインピンジメントを起こしやすくなりますので、肘を開いて三角筋を狙う場合はバーを横向きに置くことは避けるのがよいでしょう。
深さ設定
バーを使用することでより深く胸を降ろすことができます。
しかし負荷が強くなりすぎてバーの分の深さが降ろせない可能性があります。
無理につま先での腕立て伏せでやって浅くなってしまうとバーを使用した際のストレッチさせるというメリットが受給できなくなってしまい勿体ないです。
膝をついてしっかり深く降ろすという方法を取り入れるのもありです。
オススメは特に首を曲げるのでも反るのでもなく中間な状態で鼻先が床にかするまで降ろすというのをヒトツの目安とするのがいいでしょう。
鼻先を床に付けるとなると、降ろしていく際にゆっくり降ろさざるを得なくなるのでその分またキツくなります。
また、回数を重ねていって浅くなってしまうということを防ぐこともできますので「1回」が明確になります。
トータルのセット数・回数で負荷を確保しましょう
通常、腕立て伏せは自重で行いますので負荷の量を増やすのであれば回数とセット数でかせぐしかありません。
ただ最近ではトレーニング量である力積を確保できれば問題はありません。
1セット目だけは限界まで追い込み、回数を記録します。
週始め1セット目回数×12~20セット=1週間の目指す回数(力積)
となります。
例:日曜日1セット目:15回
→15回×12セット=180回を1週間でこなすことを目標としましょう。
まとめ
①プッシュアップバーがあれば腕立て伏せのトレーニング効率が大きく上がります。
②プッシュアップバーを使用することで同時に怪我のリスクが減らすことができます。
③プッシュアップバーの正しい使い方を知って結果を出しましょう。