ダイエット ボディメイク

整形外科医がダイエットを継続するのにはどうしたらいいかを考えてみる。

ダイエットといえば一時的なものであり、また数少ない成功の裏にあまたの失敗があるものです。ダイエット自体は本来は生物としての反応としては続かないことが当然なのです。

成功させるには目的を明確化し、小さな目標を設定し、正しい知識を身につけ、効果的な方法を実践し、習慣化していくしかありません。

まず知識としてダイエットを成功させる方法を知っておきましょう。

ダイエットが続かないのは言わば当然

①生物として当然の反応

ダイエットが続かず効果がでない、辞めてリバウンドしてしまうということを繰り返している方というのは非常に多いと予想されます。しかしこれはある意味生物としては当然の反応で本来生命活動のためにはエネルギーを溜め込むし、なるべく食事摂取で脂肪を溜め込もうとします。

②やる気はあるけど忘れてしまう。

今日はこの運動をやろうと思っていたのに純粋にやることを忘れる。
タイミングを逃し、後になって気づきヤル気が出ない。
結局やらなくなってダイエット自体をフェードアウトしていってしまう。

などということも多いと思います。特にこれはダイエットを始めた最初のころに多いと思います。人間本来はサボる生物ですので、その習慣を脱するため軌道に乗るまであらゆる手段・対策をしていかないといけません。

③効果が出なくて嫌になり辞めてします。

効果の実感ができないと辞めてしまいます。ダイエット開始当初はある意味何をやってもある程度は効果がでます。しかし、あらゆる方法においてもいわゆる停滞期というものがやってきます。

やっかいなことにヒトのカラダには恒常性という機能が備わっており、カラダを一定の状態に保というしてきます。そして停滞期が乗り越えられなかった場合、嫌になりダイエットからフェードアウト、リバウンドという道のりへと続いてしまいます。

どうダイエットに向かっていくべきか

①目的を自身の中で‟ある程度”明確にする

先にも述べました通り、生物としては本来ヒトはサボるものです。ですので、ダイエット自体がその自然の反応へ対抗することになりますので簡単にはいきません。なんとなくやっても効果は得られないことが多いです。

何でもいいです。何か目標を‟ある程度”設定しましょう。有名人を捉え、「こういう体形になりたい」、昔のあの服を着られるようになりたい、腹筋を引き締めたいなどです。ここで重要なのは明確すぎる「○○kgまで体重を減らす」などの目標は短期では良いですが長期では危険ということです。

明確すぎる短期目標を達成してしまうことで燃え尽きてしまいます。
燃え尽きは後述します継続→習慣化→好きになることへの弊害となってしまうからです。

②いきなり大きな目標を掲げると挫折する

勉強にしろスポーツにしろダイエットにしろトップクラスの人をマネすることは良いことです。
しかし初心者がいきなり昔から勤勉な人と同等の勉強スケジュールはこなせませし、同等の練習メニュー、食事制限などをやることはできません。

できないどころか、最初からいきなりやれと言われたら面を食らって自信・ヤル気を失ってしまいます。
もちろんトップの人達がいきなり今のメニューをやれていたなんてことはないでしょう。

決してダメなことではありませんが、自身で考えるにしても他人に考えてもらうにしてもあまりに高強度のトレーニングや厳しすぎる食事制限などを設定してしまうと最初の効果は絶大ですが、長期的には挫折にも繋がりやすいです。

③小さな目標でも小さな成功体験となり実績・自身に繋がる

何を成すにしても重要なことは小さな成功体験の積み重ねです。
これぐらいならやれるかな?という小さな目標を達成し続けるということです。

ただ‟小さすぎる目標”はダメです。目標達成自体は容易になりますが、
極端な話「1週間でスクワット5回やる」の様な小さすぎる目標の場合だと結果が得られません。

ダイエット・ボディメイクにおける小さな成功体験とは
・自身のカラダの変化
・ベンチプレスで○○kg上がった
・健康診断での数値が改善した
などという結果です。

④小さな成功体験を得続けるには効果的なことをやる必要がある

小さすぎる目標の達成や、やみくもで内容のない目標の達成では続きません。
運動にしろ食事にしろ世の中には様々なダイエット方法であふれています。

効果のない方法・意味のない方法を選択してしまっては効果が得られません。
効果が得られないということは成功にはつながらないということですので、当然成功体験にもつながらないのです。

正しい知識を身に着けてあふれかえる様々な方法の中から効果的な方法を選択し、効果的な方法を‟やや”頑張って達成可能な条件で行うということが成功体験を生み、継続へと導いてくれます。

⑤習慣化するための方法を考える

目的・目標を明確化したあとは実際にダイエットを開始していくわけです。ちまたには無数のダイエット法が溢れていますが、いずれの方法を選択するにしても3日坊主では当然効果は得られません。
ヤル気はあっても忘れてしまうことで、忘れてしまったことで自身のヤル気も失ってしまうことが多いです。

運動であればライフスタイルに合わせて曜日を決める、御飯の前にやる、帰宅後にやるなど行うタイミング設定をする、アラームを設定するなども良いかもしれません。
同居人がいれば‟声をかけてもらう”などのサポートをもらうのも良いでしょう。

食事であれば冷蔵庫の表面、内部に何かわかる印をつけ常に思い出させてくれる方法を考えなければ忘れてしまいます。
そもそも誘惑にかられないために「買い物は食後すぐ満腹時に行く」という方法も単純ですがオススメです。

⑥継続して効果を出し続ける方法を考える

習慣化することができたら多くの人は最初は効果が得られるでしょう。
体重だけを気にするいわゆる‟ダイエット”であれば次に待っているのはお馴染み停滞期です。

否定する訳ではありませんが、○○だけダイエットのような類はそこで打つ手がないことが多いです。
いろんな種類の方法・選択肢を持って抗い継続そすることでようやく停滞期というのは打破できるものであり、打破できなければリバウンドが待つのみです。

ここで体重だけを気にするダイエットからボディメイクへと視点を変えることにより継続ができるようになるでしょう。

④でも述べましたが小さな成功を‟得続ける”必要があります。

運動では同じことを繰り返しているだけではカラダは慣れてしまします。
メニュー種目・回数・重量など変化を起こしてあげることが必要になります。
トレーニングにおいては‟○○kgを上げる”などの目標であればトレーニング種目を変えることで達成しやすいです。

食事であってもあらゆる方法で効果はあるとされていますので、いろいろ変えてみるのも手でしょう。
体重ではなく自身のカラダの見た目などの変化に気づけることがまた次のモチベーションへと導いてくれます。

意識の改革

①ダイエット→ボディメイク

ダイエットとは痩せる・体重を減らすという意味で用いられることが多いです。
しかし個人差は多様にありますが結局は個人が理想の体型を手に入れるためのものであり、ボディメイクと言えます。

日本では特に多い傾向にありますが(その証拠に?若年女性の痩せの割合は増えています)、痩せ=細い=美という評価が与えられることが多く、実際SNSなどでも著名人が痩せたビフォーアフターの報告をするとすぐさまに絶賛されます。

最近では筋トレを併用していたとしても筋トレに関してはあまりピックアップされません。理想の体型を求めるという意味では若い女性の痩せを求めるのも、ボディビルダーがモリモリの筋肉を求めるのもボディメイクという意味では一緒になるのです。

②正しく理解・実践

とにかく細いカラダである‟痩せ”を求めるのであれば水しか飲まず、ベッド上で安静にしているのが一番いいでしょう。筋肉も含め痩せ細ります。もちろん絶対にやってはだめです。

ほとんどの方はある程度の筋肉と細い体を求めています。その上では筋トレは必須となるのですが未だに”筋肉はあまりつけたくないんだよね”、”モリモリにはなりたくないんだよね”などの誤った見解が先行し筋トレという方法が実践されないことが多いです。

結果、無理な食事制限などに頼ったダイエットとなり失敗します。運動・筋トレの必要性をしっかり理解・納得し、いろいろな方法を実践することが効果が得られ、自身の理想とするボディをメイクしていくことができます。

③好きになる

理想のボディを獲得していくには結局のところ継続するしかありません。そう聞くと”ずっとダイエットするの?”とか”終わりはないの?”といった意見が多々聞かれます。これはある意味正解ですが、そこは意識の持ちようです。

メディアで取り上げられるような綺麗なカラダを持つ人、周りにいる綺麗なカラダの人などを思い出してみてください。常にカラダを気遣っていますよね?でも辛そうではありませんよね?場合によっては「何を目指しているの?」なんて言われます笑。

正しい知識を理解・実践し、結果を得ることで好きになっているからです。
ことわざで”好きこそ物の上手なれ”とは正にこのことです。上手というのは理想のボディを指しますが。
もしくは‟内発的動機づけ”という言葉がありますが、人からの命令や成功報酬などの‟外発的動機づけ”では効果への瞬発力はありますが継続力に欠けます。

どれだけ願ったとしてもいきなり嫌いなことを内から好きになることは難しいです。
どうすれば習慣化し好きになっていくことができるかを考えていきたいですね。

まとめ

①ダイエットは続かないもの

本来ダイエットは成功しないのが生物としての本質であり、自分だけが弱いということではないですよ。

②目的→小さな目標→習慣化→継続していきましょう

今一度自身の中でダイエットの目的を確認しましょう。そして小さな目標を立てボディメイクを忘れず継続していく方法を考えておきましょう。継続することで習慣化されます。習慣化できたら方法の内容も考え、停滞することなく継続していきましょう。

③意識改革

ダイエットではなくボディメイクという認識を再考しましょう。ボディメイクにも筋トレと食事管理が必須です。筋トレの必要性を理解し実践し、そして結果を得ることでボディメイク自体を楽しんで好きになっていきましょう。

ABOUT ME
jack-wall
現役の中堅整形外科医です。日本整形外科学会専門医。専門は肩と膝です。 筋トレ歴は20年ほど。 日々いかに整形外科医として成長し、ヘルスケアも意識しながらの継続的な筋トレが行えるかを考え邁進しています。